PL3080_特別支援教育実習_1単位目



1.特別支援学校の教育の特徴を、①教育課程、②指導方法、③学習環境に留意して記述しなさい。

 知的障害のある幼児児童生徒を対象とする特別支援学校の教育の特徴を、以下より記述する。

 まず、①教育課程についてであるが、知的障害以外の障害のある幼児児童生徒を対象とした特別支援学校の場合、教育課程は、幼稚園、小学校、中学校、高校の教育課程に準じ、これに自立活動が加えられたものとなる。これに対し、知的障害のある幼児児童生徒を対象にした特別支援学校の場合、教育課程は、知的障害教育独自の内容のものとなる。すなわち、教育課程は、教科別の指導(内容が学年別ではなく段階的に示されている)、各教科等を合わせた指導(日常生活の指導、生活単元学習、作業学習、遊びの指導)、領域別の指導(道徳、特別活動、自立活動)で構成されたものとなる。これは、知的障害のある幼児児童生徒が、「学習で得た知識や技能は断片的になりやすく、実際の生活で応用されにくい」「成功経験が少ないため、主体的に活動に取り組む意欲が育ちにくい」「実際的な生活経験が不足しがち」という学習上の特徴から、幼稚園、小学校、中学校、高校の教育課程に準ずることが難しいことが理由である。

 次に、②指導方法についてであるが、始めに教師は、幼児児童生徒の実態を把握し、個別の指導計画を作成しなければならない。これは、幼児児童生徒の実態、年間の指導目標、学期の指導目標、指導内容・方法、評価等が記載された文書であり、全ての各教科と自立活動に関して作成されるものである。この個別の指導計画に基づき、教師は幼児児童生徒に対して、表情豊かに、大きくはっきりとした動作で、簡潔に分かりやすく話して指導を行うことが肝要である。ただし、指導時には、教師は幼児児童生徒の拒否権を認め、彼等の主体性を引き出すことに集中すべきであり、無理強いは禁物である。なぜなら、学校において幼児児童生徒は教育を受ける権利を行使しており、教師はそれに応える存在にすぎないからである。教師は「教えてやる」「上から目線で従わせてもよい」という勘違いを犯しやすいので、自らを律する心が必要である。特別支援学校は虐待や体罰が生じやすい環境といえる。知的障害のある幼児児童生徒は、虐待や体罰を言葉で周囲に訴えることが困難だからである。そのため特別支援学校の教師は、「鋭敏な人権感覚」を特に意識しなければならない。

 最後に、③学習環境についてであるが、「一日の時間割を看板にして明示する」「教室内部の各所を授業の用途別に整える(教室環境の構造化)」「学年を取っ払ったクラス編成(指導グループの弾力的な編成)」を実行すべきである。学習環境を一人一人の幼児児童生徒の特性に合ったものに編成することが重要である。

 以上が、知的障害のある幼児児童生徒を対象とする特別支援学校の教育の特徴である。

2.特別支援学校で教育実習を行うにあたって、あなたが課題とすることは何ですか。スクーリングで学んだことを踏まえて述べなさい。

 教育実習生は、「チームでの動き方を学ぶ」「個々の幼児児童生徒の行動特性や発達段階の違いを理解する」「車椅子の操作等安全面の配慮の仕方を学ぶ」「幼児児童生徒の人権や個人情報を守る」「聞きなれない言葉や不明点は自分だけで考えずに指導担当の先生や周囲の先生に質問する」「幼児児童生徒に対する発問や文章は、ワンセンテンス・ワンミーニングのシンプルで具体的な内容で行う」「「~するな」という言い方ではなく、「~しましょう」という望ましい行動を指示する声掛けを行う」「幼児児童生徒から話を聞く際には、相手を見る、笑顔、頷くの3点を忘れない」等の事項に留意するべきである。

 また、教育実習生は、幼児児童生徒と一緒に行動し、「幼児児童生徒の良きモデルになれるように振る舞う」「クラスで何らかのトラブル(発作、飛び出し、パニック、喧嘩等)が起きた際の対応」「幼児児童生徒の支援・介助・個別対応」を心掛けるべきである。教育実習生という立場上、主指導者である担任を補助する黒子としての役割に徹するのである。ただし、自らが主指導者として授業を担当する際には、責任と自信を以って、幼児児童生徒と担任の両方を率先して動かすようにしなければならない。これが教師としての仕事であり、教育実習生といえども、主指導者と黒子の切り替えが大切である。

 上記を踏まえて更に私は、「常に笑顔でいること」を課題にしたいと考える。私は、考え事をしている時や、体力的に疲れている時に、目つきが険しくなる傾向がある。このような時の私は、「怒っている」「自分を嫌っているのでは?」と他人に思わせてしまうことが多々ある。もしも、このような誤解を与える表情を教育実習先で私がした場合、私は幼児児童生徒に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、教育実習先では努めて表情を柔和にし、幼児児童生徒や同僚に余計な勘違いをさせてしまわないように細心の注意を払うつもりである。

参考・引用文献

『特別支援学校における教育実習のために』 明星大学通信教育部、p.24

捕捉

このレポートも、特殊です。

指定の教科書に基づいた上で、スクーリングの授業で先生が語ったことを盛り込んだレポートとなっています。

なので、スクーリングの授業を真剣に受けることが必須です。

PB3160_初等教育実習指導_1単位目のレポートと異なり、このレポートは1回で合格することができました。

スクーリングの授業を担当された平井威先生は、障害のある人の恋愛・出会いをサポートする活動をされており、かなり最先端を行っているという印象を持ちました。

知的障害者の恋愛・結婚・子育てに関する書籍を出版されています。


共生社会を目指すこれからの社会において、障害を持つ人の恋愛・結婚・子育ては、絶対に無視できない話題だと思います。