人類学

『奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録』

実家に帰省中、下記の本を読む機会に恵まれた。奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録作者: 石川拓治,NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2008/07メディア: 単行本購入: 32人 クリック: 361回この…

『TOKYO 0円ハウス 0円生活』に感動

読書をして興奮したのは随分久しぶりのことである。ついさきほど、私は下記の本を読み終えた。TOKYO 0円ハウス0円生活作者: 坂口恭平出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2008/01メディア: 単行本購入: 12人 クリック: 147回この商品を含むブログ (35件) を見…

菌類とアイスマンとゴシックロリータ

土曜日。『菌類の不思議展』に足を運んだ。かなり混んでいた。展示物に沿って行列が続いていた。その中にゴシックロリータな格好をしている女性が20人に1人ぐらいの頻度で見掛けられた。不思議であった。菌類とゴスロリには何か関連があるのだろうか。そのよ…

人権演劇人類館の訴えるもの

「人類館」関係の情報をyoutubeにアップ致しました。話し手は、人類学者の前嵩西一馬さんです。 「人権演劇人類館の訴えるもの」part1 「人権演劇人類館の訴えるもの」part2 「人権演劇人類館の訴えるもの」part3 「人権演劇人類館の訴えるもの」part4 「人…

琉神マブヤーに学ぶ「暴力への対処法」

暴力に対して暴力で応答すること。友人から薦められた下記の番組「琉神マブヤー」を見て、このことの是非について非常に考えさせられた。http://www.mabuyer.com/index.html暴力に対して暴力で反応した場合、それは更なる暴力を相手から引き出す。この悪循環…

交換物としての「ヤムイモの見つけ方」

ココアとの交換物として私は何をエノアールに持参したらいいのだろうか。そんなことを考えながら歩いていると、近所の神社で、銀杏を拾っている中年女性を見かけた。銀杏は無料で手に入る食料である。つまり「ただ」である。「これだ!」と気付いた私は、エ…

エノアール・カフェを発見する

友人と渋谷で会う。天気が良いこともあり、某公園まで足をのばした。銀杏の木の黄色が素晴らしい。秋らしく色づいた木々の中を、黄色の絨毯を踏みながら、ひたすら歩く。すると遠くにブルーシートが見えた。もしやと思い近づき、そこにいた男性に、「あのう…

ダブルバインドの見分け方─「論理階型」と「学習2」と「ダブルバインド」の関係についての現時点における私の結論

前回のエントリーでは、ベイトソンのダブルバインドに対する私の疑問を提示した。qianbianwanhuaやMはまによる丁寧かつ有益なコメントにより、ダブルバインドに対する分からなさは、ある程度は解消されたように思う。以下、私の現時点におけるダブルバインド…

メタダブルバインド問題─ダブルバインドについてのダブルバインド

ベイトソンのダブルバインドが分からない。ベイトソンは、論文「精神分裂病の理論化に向けて」において、ダブルバインドを構成する必要要件として、次の要件を明記している。(ベイトソン 2000:294-295) 第一次の禁止命令 より抽象的なレベルで第一次命令と…

メタメッセージの条件

ダブルバインド状況について、ベイトソンは次のような事例を紹介している。 分裂症の強度の発作からかなり回復した若者のところへ、母親が見舞いに来た。喜んだ若者が衝動的に母の肩を抱くと、母親は身体をこわばらせた。彼が手を引っ込めると、彼女は「もう…

「論理階型」と「学習」の関係

論理階型理論の復習 例:大学というクラスとそのメンバー 大学 ├体育館 ├図書館 ├グラウンド ├講義棟 └学生寮 上記の図において、クラスの名前は「大学」である。また、「大学」というクラスのメンバーは、「体育館」「図書館」「グラウンド」「講義棟」「学…

実際に効く呪術

呪い。呪詛。呪術。人類学がこれまで研究対象としてきたこれらの行為を、私は次のような視点から眺めてみたい。「特定の誰かに危害を加えることを目的として実践され、いざ実践されたならばその効果が目に見える形で即座に明らかになるような、ひたすら現実…

見えるんです問題

沖縄調査体験通じ生命の神秘に迫る 学者マンガ家・都留泰作さん次第に調査地の生活に慣れ、「その環境特有の統覚習慣」を人類学者が身に着けていくプロセス・メカニズムが、詳細に説明されることはない。これまで私はこのことを事あるごとに問題視してきた。…

山口洋

やはり編集者の強い勧めを受けて、沢知恵さんという方と、山口洋という方のジョイントライプを鑑賞した。非常に良かった。「すばらしいもの」を見たと思う。沢知恵さんのパフォーマンスは炎のようでもあり、優しい風のようでもあった。そして山口洋さんのパ…

爆発する薩摩芋

建築家と彫塑家と人類学者と編集者と私の5人で、新宿で遊んだ。 建築家と謎の「タイ・インド・中国・マレーシア・インドネシア料理屋」で昼食。「わんわよ、沖縄人の自覚がまったくないばーよ」とナンを食べつつ、だべる二人。その後、渋谷から新宿まで徒歩…

Difang(あるいは郭英男)

この曲を初めて耳にしたのは高校一年生の頃。曲の合間に、伸びやかな気持ちの良い声が聞こえてきたとき、「喜納昌吉っぽいこの声は一体誰だ?」と疑問に思ったことを覚えている。 あれから何年経っただろうか。なんとなくこの曲について調べていたら、Difang…

3連休の実績

プロジェクトにスケジュール変更はつきものである。状況に応じて柔軟にスケジュールを変更できなければプロジェクトリーダーとはいえない。かくして3連休中の実績は以下のような結果となった。 7/19(土)実績 10:00 風呂。洗濯物を干す。 11:00 手打ち蕎麦…

おきなわ女性学事始

おきなわ女性学事始作者: 勝方=稲福恵子出版社/メーカー: 新宿書房発売日: 2006/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 「おきなわ」と「女性」。この二つのキーワードを結び付けることにより、「日本」と区別されるところの民族カテゴリーで…

人類館の番組を見る

無事、金曜に納品を終えて、終電で帰宅。何度も経験してはいるものの、解析結果の送信時にはいつも緊張する。◆その翌日、またまた某W大学へ。「沖縄テレビの知人から「人類館」に関する番組のビデオテープを手に入れたので見に来ませんか?」という連絡を編…

水族館劇場「Noir 永遠の夜の彼方に」鑑賞記録

「Noir 永遠の夜の彼方に」は、シンプルで真っ直ぐな力強いメッセージのこもった作品であった。押し潰されて亡くなった、弱い人々に対する想像力を、掻きたてたくて堪らない。あのような状況をどうこうできるような力は、今でもないかもしれないけれど、死ん…

台風という概念がない頃の、遠い島の昔のお話

今日は納期でした。納期には解析結果を納品することになっています。さきほどそれを無事納品することができました。エクセルのドキュメントをZip形式に圧縮し、確かにメールに添付して、ついさっき先方宛てに送付致しました。「送信」ボタンをクリックした感…

『くにたち人類学研究』vol.3発行のお知らせ

くにたち人類学会による学会誌のVol3が発行された模様です。http://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/handle/10086/15754先に開催された『人類学バトル第三戦』の特集が組まれております。「物象化は至るところで確認できる。そのこと自体、言語というものの宿…

ナチュンの感想

『ナチュン』を読んだ。1巻から3巻までをまとめて購入し、いっきに読みきった。非常に面白い。そうか。フィールドワークの経験は、このような形でアウトプットすることもできるのか。評価に値する人類学的な理論や知見が展開されているわけではない。しか…

2008年2月の3連休

土曜日 昼過ぎまで寝る。たかはしに行くが、珍しくお休み。しょうがないので北千住を歩き回り、別のよさげな店を発見。欧風カレーを食べる。月曜に取れてしまった右下の奥歯の銀歯を持って歯医者へ。案の定、銀歯の裏に虫歯。このようなケースは、これで3回…

プラセボ効果のメカニズム─最新仮説の検討と今後の研究の課題

隔月で開催される職場の全体集会の場において、『プラセボ効果のメカニズム─最新仮説の検討と今後の研究の課題』と題し、重森はプレゼンを行った。200人あまりの社員の前で、プラセボ効果について熱く語ること40分。学部時代に実施したサクティに関する調査…

ある商店の閉店

「大型ショッピングセンター(モール)の進出により、地元の商店が閉店を余儀なくされる」という話をよく耳にする。あるいは「大型レンタルチェーン店の進出により、地元の小さなビデオレンタルショップや古本屋が閉店に追い込まれる」という話をよく聞く。…

験を担ぐ

2ヶ月ぶりに近所の美容室へ。年末の様子、新年の抱負、最先端の脱毛技術、床屋と美容室の違い。様々な話題について語り合った後、ヘアワックスを美容師さんにつけてもらう。普段から私は、ジェルやワックス等の整髪料を全く使用しない。しかし今回は、「整髪…

Youtube紅白歌合戦

ひさしぶりに一橋へ。オカピ主催のYoutube紅白歌合戦に、下記の映像を持参。 非常に受けていたと思う。幕に映像が映るやいなや「Coccoだ!」という歓声があがる。やはりCocco先輩の表情には説得力がある。切実さが伝わってくる。「のっぴきならない何か」を…

「人類学バトル」(第3戦) に関する記録:重森という視点より

箇条書きバージョン:経過時間数付き 人類学者になりそこねた現代芸術家に「なぜ私は映像を見て酔ってしまったのでしょうか」と問いかけ、「動体視力」なるものの存在について考えさせられること約1分。 小人を見ることができる人類学者と「小人が見えるよう…

「人類学バトル」(第3戦)

来る10月7日(日)の14:30より、「人類学バトル」の第3戦が、一橋大学にて開催されます。今回の争点は「ポストコロニアル論争」。以下がその詳細です。 「人類学バトル」(第3戦)(日本文化人類学会関東地区研究懇談会)のお知らせ 日本文化人類学会会員及…