ひさびさに

サクティを使った。

http://www.kitakyudai.net/~shige/ilmu.htm

肩こりに悩む人がいたので、ついつい治療を試みてしまったのである。

「なんだか楽になりました!」と相手は言ってくれた。だからきっと治療は成功したのだろう。

お礼に美味しいチョコケーキをいただいた。

私はサクティという物理的な物質が存在するとは思わない。苫米地氏が『洗脳護身術』(注1)において述べているように、サクティ(≒気孔)による病気治療は、催眠療法の一種だと思う。

しかしだからといって、催眠療法自体が持つ「不思議さ」は少しも無くなりはしない。

人体の面白さや、言葉とイメージが実現する自然治癒力の促進現象に、興味が尽きることはない。

アーネストの『精神生物学』(注2)や、田嶌先生の『イメージ体験の心理学』(注3)を読むと、ますますそう思う。

◆注

注1、苫米地氏の文章には納得しかねる箇所がいくつかある。例えば、術者の手のひらから放出される電磁波(ex.赤外線)には、術者によって「病気よ治れ!」という情報が組み込まれていると苫米地氏は述べている[苫米地 2003:147;157]。しかしそもそも、人体から発せられる電磁波に情報を載せることはできるのだろうか? このような主張に私は違和感を覚える。むしろ患者が「これで私は治る!」と思い込むことに効果があるような気がする。いわゆるプラセボ効果である。気孔療法は、レヴィ=ストロースが紹介した、クワキウトル族の呪術師ケサリードが行う療法と、似たようなものではないだろうか。

注2、プラセボ効果について様々な事例が紹介されている。特に、末期ガン患者に対して行われた実験が面白い。ただの注射(栄養剤だったっけ?)をガンの特効薬注射であると患者に信じ込ませることにより、患者のガンを縮小させることに成功した事例が掲載されている。

注3、催眠(≒イメージ、暗示)療法の面白さを如実に示す文献。かつて火傷を負ったことがある人物の腕に、ただの割り箸を押し付けることによって、その人物の腕に火傷を生じさせる実験が面白い。被験者は割り箸を火箸として思い込むよう、実験者に暗示をかけられていた(←本当なのかなこの事例は)。

◆参考引用文献

苫米地英人 2003 『洗脳護身術―日常からの覚醒、二十一世紀のサトリ修行と自己解放』 三才ブックス
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9977492905

アーネスト・L. ロッシ 1999 『精神生物学(サイコバイオロジー)―心身のコミュニケーションと治癒の新理論』 日本教文社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/453108120X/ref=sr_aps_b_/249-4561403-5285917

田嶌 誠一 1992 『イメージ体験の心理学』 講談社現代新書
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061491172/qid=1075899331/sr=1-3/ref=sr_1_8_3/249-4561403-5285917