レミオロメン

レミオロメンというバンドのCDを聞いている。「粉雪」という彼らの曲をコンビニなどで聞いて以来、彼らの存在が気になっていた。

朝顔 (CCCD)

朝顔 (CCCD)

これはいい。歌うと脳に響きそうだ。

元ちとせにもいえることだが、レミオロメンのボーカルの声には揺らぎがある。ビブラートというのだろうか。基準となる音から微妙にずれた音を、基準となる音とほぼ同時に出すような歌い方をする。

ただし、時折、である。レミオロメンは常にビブっているのではない。そこがまた、聞いているとトランスに至れそうで、非常によい。

いや。もしかしたら、揺らぎは確認できないかもしれない。このようにいった方が正しい言い方かもしれない。彼らの曲のほとんどは、どこか東洋的で、ゆったりと流れる川のようなメロディーである。これは、その気になれば揺らぎを出しやすいメロディーといえる。

もちろん、その気になる主体は、私である。私がその気になって、勝手にレミオロメンの曲をビブらせて歌うのである。脳に響いて心地よい。歌は麻薬だ。

歌うと気持ちよくなれそうな曲を見つけることができて、私は幸せだ。

ということで最近は、会社帰りに家の前の歩道橋を、レミオロメンの「追いかけっこ」や「すきま風」や「タクシードライバー」といった曲を歌いながら、ゆっくり歩いている*1

*1:「追いかけっこ」が一番好きだ。この歌には「影」という単語が随所に登場する。なんだろう「影」って。「将来自分がどうなるのか分からないという不安」あるいは「なにか不吉なことが起きてしまい明日から路上生活を余儀なくされる可能性。もしくはその可能性に対する恐怖」であろうか。気になる。おそらく、レミオロメンは「競争」について歌っている。常に他人よりも秀でていなければならない「競争社会」に生きる我々、について歌っている。だからこそ、この曲のタイトルは「追いかけっこ」なのだ。レミオロメンは「競争」を否定しない。この世界に生きていく以上、「競争」を避けることはできないということを真摯に受け止める。そして、「不安を抱えつつ生きるしかない」と訴えているようだ。「力の限りに戦うのさ。手を伸ばす程に拡がる影よ。勝つか負けるかはわからない。僕らはやれるかな。届いてますか。僕たちは臆病だからもっと微笑んで。影なら何処にも満ちている。真っ白な雪のその裏側さえ。夜空を彩る星たちは何も語らないけど。僕らは夢を見る。」