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エノアール・カフェを発見する

友人と渋谷で会う。天気が良いこともあり、某公園まで足をのばした。

銀杏の木の黄色が素晴らしい。秋らしく色づいた木々の中を、黄色の絨毯を踏みながら、ひたすら歩く。

すると遠くにブルーシートが見えた。

もしやと思い近づき、そこにいた男性に、「あのう。この近くにカフェはありませんか。」と声をかける。すると、「ここです。」という返事が返ってきた。

エノアール・カフェを私は見つけてしまったようである。いつか行ってみたいと思っていた場所なので、「どこらへんにあるのかな」とキョロキョロしつつ、公園内を歩いていたのだが、それが功を奏し、ついつい見つけてしまったのである。

カフェには3人の人がいた。そのうちの2人はカフェの運営者であり、1人はカフェの常連さんであった。どうやってここを知ったのかと質問される。「イルコモンズさんのブログで知った。今日は公園内を歩いていたらカフェを偶然見つけた。」と答える。

緊張から怪しい口調で話す私であったが、カフェの3人はそんな私を暖かく迎え入れてくれた。カフェらしく、メニューを手渡される。ハブ茶やナゾ茶といった気になるメニュー満載であった。どれも値段が記載されていない。しばらく迷った末、私はココアを注文した。

エノアール・カフェは、物々交換カフェである。お金以外の何かで物々交換を行うことが推奨されていた。私はココアに匹敵する何かを持ち合わせていなかったので、交換するものを次の訪問時に持ってくることにした。当初は短歌をプレゼントすることを提案したのだが、短歌は失恋時や落込み時にしか作れないものであったことに気付き、急遽提案を撤回して、ココア代をツケにしてもらった。

次回お伺いする際に、美味しい果物でも持っていきたいと思う。

意外なことに、ベイトソンについて盛り上がった。カフェ運営者の1人もベイトソンが好きとのことであった。

「最近ベイトソンダブルバインドについてブログに記事をアップしているのでお時間があれば是非」と伝え、私はカフェを後にした。

それにしても、5年も公園でテント暮らしをしているカフェ運営者の2人は、凄いと思う。生き延びることができていることも素晴らしいが、なによりも、自分の生き方に自信を持つことができていることが素晴らしい。私が密かに尊敬する沖縄の実家近辺に住む池田原人に通じる凄みがある。世界を作り出すアウラといったらいいだろうか。カフェ運営者とその仲間の佇まいは極めて静かである。しかし、そこに私は秘められた熱さと哲学を感じた。非常に脱力しているが、柳のようにしなやかな強さを感じた。

家に帰り、カフェ運営者のブログを全て読破し、ブックマークすべきものはブックマークし、ついでにカフェ運営者による著作もamazonに注文した。

この方たちとこの場所からは学ぶべきことが多くあると感じる。