菌類とアイスマンとゴシックロリータ

土曜日。『菌類の不思議展』に足を運んだ。

かなり混んでいた。展示物に沿って行列が続いていた。その中にゴシックロリータな格好をしている女性が20人に1人ぐらいの頻度で見掛けられた。不思議であった。菌類とゴスロリには何か関連があるのだろうか。

そのようなことを考えながら、行列に並び、私は展示品を見ていった。私の関心は「食べられるキノコと食べられないキノコの識別方法」ただひとつであった。展示コーナーを一瞥し、それが私の目的に合致しているかどうかを瞬時に判断しながら、私は足早に移動していった。

そうこうしているうちに、やっとそれらしきコーナーに私は辿り着いた。食べてはいけない毒きのこの展示コーナー。代表的な毒キノコの精巧なレプリカが展示されていた。迷わず私はそのすべてをデジカメで納め、他に何か情報がないか辺りを物色した。しかし、このコーナー以外では、私の関心と合致した情報は手に入らないようであった。

「よし。今日の目標は一応達成した。」と満足し、行列から外れ、適当に周囲を見ながら、出口に向かってふらふら歩いていると、アイスマンと呼ばれる5000年前の人間のミイラに関するコーナーで足が止まった。

のっぴきならない雰囲気のコーナーであった。アイスマンは、1991年にアルプス山脈で発見されたという。そのアイスマンが所持していた道具の中に、キノコを原料としたものが2点含まれており、それらが展示されていた。一つはツリガネタケであり、これについては発火剤という説明がなされていた。そして、もう一つのカンバタケについては「宗教的な用途で使われたと思われる」という説明がなされていた。

宗教的な用途って何だろう。そもそもどうして宗教的な用途という説明が可能なのだろうか。根拠はあるのだろうか。よく分からないので、単に宗教という言葉を持ち出しているのだろうか。」と考えながら歩いているうちに、出口近くの販売所に差し掛かった。

キノコに関する書籍があったので、一通り目を通す。キノコ初心者として、以下の本を購入した。

いきなりきのこ採り名人 (小学館SJ・MOOK)

いきなりきのこ採り名人 (小学館SJ・MOOK)

まずは、この本を見ながら、近所の公園や神社の雑木林を調査してみたい。

販売所には、「もやしもん」という漫画が1巻〜6巻まで積まれていた。農業大学を舞台にした、菌を肉眼で見ることができる主人公とその仲間達に関する漫画で、お酒等の発酵食品に関する薀蓄が非常に面白い。ぱらぱらめくると、沖縄の泡盛に関する記述を見つけることができた。超音波を利用すれば、短期間で泡盛を熟成させることができるらしい。

さらにぱらぱらめくると、酒屋で働くゴシックロリータ姿の人物が現れた。


なるほど。だから今回の展示には、ゴスロリな人も来ているのかと、妙に納得した。

アイスマンのカンバタケ」が気にかかり、家に帰って調べてみた。

すると、次のような情報を見つけることができた。

http://www.natureinterface.com/j/ni14/P003/

上記リンク先の記事によれば、アイスマンが携帯していたカンバタケは、彼の体内にいる寄生虫を殺すために使用された薬物と考えられるという。

面白い。5000年前の人類が有していた宗教についても興味が沸くが、5000年前の人類が有していた薬物知識にも興味が沸く。

今日も、いろいろなことが分かって良かった良かった。