『奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録』

実家に帰省中、下記の本を読む機会に恵まれた。

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録


木村さんは、無農薬・無肥料でリンゴ栽培を成功させた人物である。

約8年にも及ぶ試行錯誤の末に、である。

病害と虫害により、何年も花を咲かせることのなくなったリンゴの木に絶望し、ある日木村さんは、自殺をするため山に登る。そして木村さんは、山の奥で見つけた野性のドングリの木にヒントを得て、ついに夢を実現させた。

秘密は土にあった。

すべてを悟った木村さんは迷うことなく、畑の土の改良に着手した。

自殺の覚悟と引き換えにして木村さんが手に入れた「土の秘密」について、種明かしを聞かされたならば、我々はそれを「もっともな話」として理解することができる。最も難しいのは、この秘密にアクセスすることである。8年かけて木村さんは、やっとこの秘密に辿り着いた。

木村さんには次のような特性*1がある。

  1. 「実験精神」「開拓精神」「発明精神」に溢れている。
  2. すべてを自分で判断して動かざるを得ない自営業者である。つまり、自分で考えてとにかく頑張る「インディペンデントな精神」の持ち主である。

「辛抱強く試行錯誤すれば、いつか必ず目的を達成することができる。」

このように思わずにいられなくなる、わくわくするような本であった。

*1:前々回紹介したホームレスの鈴木さんにも指摘できるように思われる。