『奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録』
実家に帰省中、下記の本を読む機会に恵まれた。
- 作者: 石川拓治,NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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木村さんは、無農薬・無肥料でリンゴ栽培を成功させた人物である。
約8年にも及ぶ試行錯誤の末に、である。
病害と虫害により、何年も花を咲かせることのなくなったリンゴの木に絶望し、ある日木村さんは、自殺をするため山に登る。そして木村さんは、山の奥で見つけた野性のドングリの木にヒントを得て、ついに夢を実現させた。
秘密は土にあった。
すべてを悟った木村さんは迷うことなく、畑の土の改良に着手した。
自殺の覚悟と引き換えにして木村さんが手に入れた「土の秘密」について、種明かしを聞かされたならば、我々はそれを「もっともな話」として理解することができる。最も難しいのは、この秘密にアクセスすることである。8年かけて木村さんは、やっとこの秘密に辿り着いた。
木村さんには次のような特性*1がある。
- 「実験精神」「開拓精神」「発明精神」に溢れている。
- すべてを自分で判断して動かざるを得ない自営業者である。つまり、自分で考えてとにかく頑張る「インディペンデントな精神」の持ち主である。
「辛抱強く試行錯誤すれば、いつか必ず目的を達成することができる。」
このように思わずにいられなくなる、わくわくするような本であった。
*1:前々回紹介したホームレスの鈴木さんにも指摘できるように思われる。