『人間講座「言葉の力・詩の力」』の復活を心から願う会
随分前にどこかの旅館で、『人間講座「言葉の力・詩の力」』という番組を見る機会があり、その面白さに衝撃を受けたことがある。
それは、巷で耳にする歌の歌詞を紹介し、そこに登場する言葉を延々と批評していくというスタイルの番組であった。その批評を行うのは、ねじめ正一という年配の男性。ねじめ氏は初代詩のボクシングの優勝者であるらしい。そのためか、声の良く通る、爽やかな雰囲気のおじさんであった。
そのねじめ氏が、闇の中で作業する解剖医のように、しかし非常に快活に、若い人がカラオケで歌うようないわゆる流行歌をひたすら淡々と腑分けしていくのである。流行歌とおじさんというギャップが非常に面白く、かつなかなかに趣き深い番組であった。以下がその番組の一部である。
私は、その意味をいまいち理解することができない歌を数多く抱えている。例えば、Cocco先輩による「もくまおう」はその一部である。
一見、「あなた(=恋人)」と「自分」に関する別離の歌かと思えるような歌詞であるが、それだけに留まらない何かがありそうである。下記のリンク先では、この「分からなさ」について、多数のCoccoファンが独自の見解を寄せている。
私が一番好きなCocco先輩の歌は「コーラルリーフ」という歌である。非常に力強く、メッセージの意味も明解な曲である。これに比べると、上記の「もくまおう」は解釈が難しい*1。
このような「分からなさ」を備えた歌を、丹念に分析していくような番組が欲しいと私は思う。
『人間講座「言葉の力・詩の力」』の復活を、心から願う次第である。