ローリング

高校3年の夏。首里中学校の近くのレンタルビデオ屋で購入した中島みゆきのCD。ローリングは、これに収録されていた曲である。

大学1年の頃、一人静かに部屋で聴いていた、思い出深い曲でもある。この曲を聞くと、当時の下宿付近の風景を思い出す。都市高速とモノレールが合流する地点。この場所の、特に深夜の、何ともいえない寂しい風景が思い出される*1

おそらく、よく通っていたカラオケボックスから見えた風景がそれなのであろう。

この歌のどこに私は惹かれたのか。

歌詞、声、メロディーの3つの要因を挙げることができる。

「軽く軽く傷付いてゆけ」という歌詞から分かるように、この曲の歌詞には「強さ」が感じられる。しかし、歌詞の「強さ」もさることながら、とにかく強くなりたくて仕方のなかった大学時代の私は、中島みゆきのその声にまず引き付けられた。非常に力強い声なのである。迫力のこもった格好いい声なのである。以下がそれである。


しかし時が経ち、「強さ」だけでなく「儚さ」。あるいは「弱さ」と表現したらよいのかもしれないものにも私は、それなりに魅力を感じるようになったようである。歌い方において「強さ」が前面に押し出された前述のバージョンと同じくらいに私は、下記の、透明感のある歌い方によるローリングも好きである。


そして、メロディ。

ローリングのメロディはとても緩やかでシンプルである。歌いやすくて覚えやすい。

だからであろうか。ローリングは台湾でも人気のようである。

*1:「私はこれからどうなってしまうのだろう─」という、あの頃感じた「将来に対する漠然とした不安」とともに思い出される。