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2010年1月9日の246キッチン

いちむらさんからメールで246キッチン開催の連絡を受ける。大学の図書館で統計関係の本をコピーした後に渋谷へ向かう。

既にカリスマデパ地下店員のKさんといちむらさんが来ていた。新年の挨拶を交し合う。国立の西友で購入した苺と胡瓜と蜜柑を示し、「差し入れです!」と披露すると、「おお。ありがとう! 苺と胡瓜、洗ってきて!」といちむらさんに言われる。障害者用トイレで苺と胡瓜を洗うために、タライにこれらを入れてすぐさま渋谷駅南口に向かうが、障害者用トイレには「故障中」という張り紙がされていた。そこで仕方なく男性用トイレに行く。

男性用トイレの手洗い場で、苺と胡瓜を淡々と洗っていると、警備員姿の男が用を足しに入ってきた。「なにか言われるかな?」と一瞬思ったが、特に何も言ってこない。「もしも何か言ってきたら謙虚に対応しよう」と構えつつ、そのままひたすら真面目に苺と胡瓜を黙々と洗い続ける。洗い終わったので、苺と胡瓜が満載されたタライを持ってトイレの外に出る。トイレの前にたむろしている喫煙者達がギョッとした目で私を見るが、特にたじろくこともなく彼らをするするとよけて私は国道246へ。歩きながら、「あまり緊張することなく冷静に事を運んでいる自分自身」にやや疑問を感じる。

「鮮やかな赤い苺と青々とした胡瓜のコントラストとそれらを納めたタライを持った男に人々が驚くのは無理もないのに、なぜ私はここまで落ち着いているのだろう。あまりにも堂々としすぎているのではないか。「他の人が自分を見たらどのように思うか」ということに対する、臨場感を伴った想像力が今の私には欠けているのではないか。と反省することも必要ではないか。」

と考えながら歩いてゆく。

洗い場から帰ってきたら小川さんが自転車で現れた。しっかりと新年の挨拶を交わした。

246キッチンを行っているいつもの場所のすぐ隣に、見慣れないテントが張られていた。「なんかテントが新しく張られていますね。」と小川さんに聞くと、「いや。前からあったよ。」という返事。しかし私には見覚えがない。私の観察力が足りないのだろうか。

私が持ってきた胡瓜を、いちむらさんは包丁*1で細く刻んで、海苔と塩と混ぜて食卓に出した。苺は蔕を取られてお皿に並べられた。それらにさっそく小川さんが手を伸ばす。

今日のメインディッシュは、「鮭」と「鱈のアラ」と白菜の鍋。油が乗っていて汁がとても濃厚。暖かいので体も温まる。しかし残念なことに、ちょうどこの日は「のじれん」による炊き出しの日であったため、246キッチン参加者の数はいつもより少ない10名以下であった。

ふさふさ髪だったKさんが丸坊主になっていた。近所の安い散髪屋で切ってもらったのだという。

前回の246キッチンで知り合ったYさんも現れた。労働組合や運動に詳しいYさんから、上野で自主営業しているサウナ王城の話を聞く。経営者による理不尽な事業所閉鎖命令に反発した従業員達がサウナを自主営業しているのだという。上野はすぐ近所なので、今度行ってみようと思う。


沖縄からのお土産として持参した丸玉製菓タンナファクルーが好評だった。小川さんから「沖縄を旅していたときの主食でした。」というコメントをもらう。

途中、カリスマデパ地下店員のKさんといちむらさんが、246沿いに住む数少ない女性路上生活者のEさんを探して、二人で渋谷駅東口方面に歩いて行ったが、見つからなかったらしくほどなくして戻ってきた。

前回の246キッチンで私が警戒していたサングラスの男が、相変わらず周囲をうろうろしていた。サングラスで全身迷彩服という格好だったので、非常に怪しい。

途中、何回か叫び声が聞こえた。

周囲を見回すが、叫び声がどこでどうしてあがったのかは結局分からない。「どこかで叫び声が聞こえましたよね今」と隣の小川さんに言うと、「うんした。誰かがぶつかったのかも。」と答えながら、小川さんも辺りをキョロキョロしている。私は周囲の野宿生活者が酔っ払いに暴行を受けたのではないかと思い、国道246沿いのダンボールハウスの脇に変な奴がいないか目を光らせたが、何も異常は確認できなかった。

時折、246キッチンの最中に、「叫び声」を聞いたり、「妙な殺気」を感じたりすることがある。その際は食事中の皆が一瞬静かになり、辺りを見回す。今回はそういうことが2回もあった。2回目の静寂の時、7〜8人の20代前半と見られる若者の集団が、渋谷駅東口方面から我々のほうにゾロゾロと向かってきたことがあった。「もしかしてこれは襲撃では?」と緊張したが、結局何事もなくその集団は我々の前を通り過ぎていった。

246キッチンは、いろんな人に会えたり、いろんな話が聞けて楽しいが、時として危険を感じてしまうことがある*2

*1:なぜかオバマという名前が書かれている。

*2:勝手に私が危険を感じているだけなのかもしれない。単に私が臆病なだけかもしれない。