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ニライカナイという歌

6/11(金)のミュージックステーションという歌番組で披露されたニライカナイという歌は、この歌を歌う人物の心境を、見ていて胸が痛くなるぐらい、明確に表していたと私は感じました。

これこそ万人の心に訴える力を持ったデモンストレーションなのではないかと思いました。

この番組の映像からは、その歌手の「大好きな沖縄の危機的な状況を悲しむ気持ちとそれが今後も維持されることに対する怒り」がひしひしと伝わってきます。歌の途中で挿入されたのは「ちんぬくじゅうしぃ」という沖縄民謡でした。「ちんぬくじゅうしぃ」は、「今日の夕飯は何?」「雑炊だよ」という会話のやりとりが含まれた、沖縄における牧歌的で穏やかな日常生活の風景を描いた歌です。アドリブでこの歌を挿入したその歌手からは「沖縄が大好きだ。そこに住む人々がどうか健やかであってほしい。基地が沖縄に有り続けていることに対する怒りはある。しかし誰も憎みたくはない。」という意思が感じられました*1

http://www.nicovideo.jp/watch/sm11199442

番組を見て、「他の歌手とは立っている次元が違う。」「迫力があった。」という感想を持った人がいたのは、その歌手が、以下のような思いを込めて、命を削るような思いで、歌ったからなのだと思います。

06/10 「ニライカナイPV」

皆さん、昨日発売になりましたシングル「ニライカナイ」のPVはもうご覧になりましたか? 今回も、Cocco自ら絵コンテを描き上げ、井上哲央監督の抜群のセンスによって素晴らしいPVとなっていますよ! ここで、PVをより興味深く観て頂けるいくつかのポイントを解説したいと思います。

ゲスト出演の琉球國祭り太鼓の皆さんは「沖縄県人代表」、歌の中でもラップを担当しているCurly Giraffeさんは「本土人代表」としての配役で出演して下さっています。

Coccoはそのあいだで揺れ動く「平和の象徴」=「赤花」。

「沖縄人として被害者意識はない」とCoccoは言います。なぜなら「沖縄自身も沖縄を傷つけているから」。それでもCoccoが、目の前の現実や沢山の問題に対してさまざまな憤りを抱えているのは事実です。

「一度も東京を嫌いだと思ったことはない」とも、Coccoは言っています。それでも叫びたいことはあふれていると思います。

今回のPVでCoccoが表現したかったこと。

「本土を責める沖縄」
「沖縄人による沖縄への攻撃」
「本土人に支えられている沖縄」
「沖縄の声が届くことのない本土」

怒り、翻弄、矛盾、願い、祈り。

雷光と共に登場する獅子に抱かれたCoccoは、ひっそりと咲いた平和の赤花のように穏やかです。そして、本土人の胸に眠りながらもCoccoが手にしているのは「ジーファー」という沖縄のかんざし(Coccoは幼い頃、ジーファを護身のために使っていた琉球芝居を観て以来、ジーファー=女が身を守る物、というイメージがあるそうです)。PVで実際に使われているジーファーは、Coccoの大親友である琉球金細工七代目の又吉健次郎氏から贈られた物です。

ジーファーに降り注ぐ赤花のラストシーン。

私達の暮らす日本で、そして世界で、平和の花が本当に咲き乱れるのはいつでしょうか。

ニライカナイ」=理想郷。絶望の中で探し求める希望の光。

Coccoの歌声がひとりでも多くの方に届くことを、強く、祈っています。

その歌手のスタッフと思しき人による解説ですが、なるほどと思うことしきりです。

このPVを見た当初は、「うわー。沖縄色満載でくどい感じがする。エイサーだの獅子舞だの沖縄イメージ多用しまくりでお腹いっぱい。やりすぎではないか。ところで、白い服を着た大柄な男性は一体なんなのだ? 意味が分からん。この歌は何を伝えたい歌なのだ?」と違和感ありまくりだったのですが、某スタッフによる上記解釈を読み、さらにミュージックステーションで一心不乱に歌うその歌手の姿を見て、私なりにやっと納得することができました。

おそらくジーファーは「怒り」を表しているのでしょう。米軍基地がはびこる沖縄という状況に対する怒りを表しているのでしょう。

「本土人代表」とされる大柄な男性は、十字架のネックレスを身につけています。このネックレスはアメリカを暗示しているのかもしれません*2

そして、菅笠を被った人々は「グソーの使い」*3であると考えられるため、彼らに運ばれる赤花は、「平和が無きものにされること」を表しているといえそうです。

ニライカナイという歌を今はこのように解釈している私は、この歌を聞くと、胸に痛みを感じずにおれません。

*1:しかし、歌い終わったあとの表情からは「絶望感」が感じられます。

*2:十字架のネックレスを着用しているのは単なる偶然なのかもしれませんが、私にはそう見えてしまいます。

*3:あの世の使い。沖縄版死神。