農作業58日目(+映画の感想)

先日、那覇に映画を見に行きました。

CIMG4160
その際に見掛けた沖縄県立博物館。ライトアップという装飾が施されていました。

鑑賞した映画では、下記の曲が使用されておりました。

「ニューヨークに対する思い」が豊かに表現された曲だと思います。「物質主義的で戦争ばかりしていてテロに怯えていて過剰に攻撃的な国の最も栄えた都市の一つ」という偏見を私はニューヨークという街に持っているのですが、映画ではこの曲が絶妙なタイミングで挿入されることによって、ニューヨークは、「アメリカという国の栄光と尊厳と生命力を象徴する素敵な都市」として上手に描かれていました。

その演出に「うまいものだなー」と感心致しました。ニューヨークに私は一度も行ったことがありません。アメリカという国は「絶対に行きたくない国」の一つなので、今後も私がニューヨークに行くことはないと思います。しかし、ニューヨークひいてはアメリカは、それなりに多様で複雑で、ただ物騒なだけではないのだろうと思わせてしまうぐらいに、映画のストーリーと曲がマッチしておりました。

鑑賞した映画はMIB3という映画です。見終わった後に「ニューーヨーー」と口ずさみたくなるような映画でした。内容は「宇宙人がらみのタイムスリップ戦闘もの」です。いわゆる「過去に戻って未来を変える系」です。この手の映画には、「またですか。結局、主人公達が過去に戻って色々行動したとしても、未来はそのことをも織り込み済みの未来として変わることなく最初から存在していて、そのような変わることのない未来への道程を、主人公達はなぞっているだけなんでしょ。」と思わせるものが多く、今回もこの例に漏れずそのような「またか感」を感じさせるものではありました。

例えば、ターミネーターという有名な映画があるのですが、この映画では、人間に反旗を翻し、人間に対して戦争を開始したスカイネットという人工知能が、彼らの存在を脅かす人間達のリーダーを抹殺するために、過去に刺客を送ってこのリーダーの母親を殺そうとします。しかし面白いことに、この刺客からリーダーの母親を守るために人間側が過去に送り込んだ戦士が、リーダーの母親と過去で交わることにより、リーダーが生まれてしまうのです。つまり、スカイネットは、未来を自分達の都合の良い形に変えようとして過去に刺客を送ってしまったがために、自分達が抹殺したいリーダーの誕生をむしろ促してしまったことになります。そして結局、未来は変わらないままなのでした。未来は、「過去に誰かがタイムスリップして色々行動することをも織り込み済みの未来」であり、結局何をしても変えることはできないものなのでした。

今回鑑賞した映画もそのような内容を踏襲しておりました。ただし、未来は「過去に誰かがタイムスリップして色々行動することをも織り込み済みの未来」であり、結局何をしても変えることはできないものであっても、過去の一時点に立ち、未来を変えようと一生懸命に奮闘することなしには、未来は存在しないことを感じさせる汗くささがありました。この泥臭い汗くささが実を結んだ時に、上記の曲が挿入されたことで、なんだかアメリカが数々の苦難を乗り越えて栄光を勝ち取ってきた誇りある国のように感じられたのでした。

また、この映画からは、出来事は様々な偶然や奇跡が関与して生まれるという視点も読み取ることができ、特に未来を変えようとアクロバッティングで特別なことをしなくても、ただ生きているだけで奇跡であるというような「何もしなくても実はいいんじゃないか俺達」というような解釈を導くことができる場面もありました。多くの場合、映画でも現実でも、奇跡を起こすために人々は奮闘するのですが、奇跡はいつでもどこでも起きているという発想はなかなか新鮮でした。

と、そんなことを感想として抱きながら、映画館の外を歩いていて出くわしたのが沖縄県立博物館でした。

ニューヨークを賛歌する曲を聴いた後なので、「那覇を賛歌する曲なんてあっただろうか、もしもある場合、この曲で歌われる場は、どこにあたるのだろうか」と反射的に考えました。映画で使用されていたempire state of mindという曲は、まさにエンパイアステートビルが意識された曲といえるので、那覇エンパイアステートビルに該当するものはどこだろうかと考えながら歩き、偶然見掛けたのが沖縄県立博物館だったのでした。

CIMG4162
沖縄に帰ってきてからというもの、「街灯の全くない暗闇」に魅力を感じています。沖縄県立博物館をライトアップすることをやめて、「暗闇に静かにそびえる古墳」として演出したほうが素敵なのではないか。久高島もそうでしたが、「島には暗闇が似合う」と思うのです。

しばらく歩きながら考えた末、「那覇を賛歌する際に、わざわざ特徴的な建物を意識する必要はないかも」という結論に落ち着きました。なぜなら、ニューヨークと那覇では、そこに漂う価値観が違うからです。那覇を、ニューヨークを賛歌するような仕方で賛歌する必要はなく、もっと別の賛歌の仕方があると思われます。

映画鑑賞した次の日である5/31、その翌日の6/1は雨でした。今日は晴れ間が見えたので、3日ぶりに畑へ。

今日の作業

  • 原野の畑
    • ミニトマトの収穫(by私と母)
    • トウモロコシの実にビニールカバー(by私と父と母)
    • チシャの収穫(by父)
    • キュウリの収穫(by母)
    • トウガラシの芽にビニールカバー(by私)