色々と用事があり、6/3〜6/10の7日間、九州をうろうろしてきました。
メインの目的は温泉なのですが、家族全員で九州入りした6/3に、水族館劇場という劇団の演劇をベイサイドプレイス博多付近で鑑賞致しました。
仕掛けの派手さと役者の存在感に、私の両親と弟はすっかり魅了されておりました。ただし、ストーリーが相変わらず複雑で、かつ、役者のセリフが聞き取りにくいために、作品が持つ本来の面白さを十分に満喫することはできませんでした。
演劇が終了したのは22時過ぎ。キャナルシティ近くのモスバーガーで感想を話し合いながら家族で遅い夕食を食べ、その日は鹿島本館という一泊3000円ぐらいの宿に泊まり、その翌日に杖立温泉に向かったのでした。この温泉は熊本県と大分県のちょうど境に位置しておりました。
門司の別荘とその近辺
温泉を堪能した後、私以外の家族は6/5に沖縄に戻りました。そして私だけが単独で6/9まで北九州をうろうろ致しました。
私の北九州滞在目的は、トマトです。
約10年前、北九州市立大学の人類学ゼミの学生として、市場調査を実施した際に、とある市場で非常に臭みのある美味しいトマトを私は購入したのでした。
しかし、その市場の名前を、私は度忘れしてしまいました。
時折、あのトマトが食べたくなって、北九州に立ち寄った際には、いくつかの八百屋を覗いて似たようなトマトがないか物色していたのですが、今回は思い切って、あのトマトとあのトマトを買った市場を特定してみることに決めました。
北九州の門司には、父が購入した別荘があるため、そこを本拠地にして市場巡りを実施致しました。
別荘には電気とガスがないのですが、門司港の見渡せる見晴らしの良い素敵な場所にあります。
門司では海が迫って見えます。急坂から海を眺めるからでしょうか。
地元の人に銭湯の在り処を尋ねつつ、別荘付近をうろうろ。清見という名の地域に一軒、菊の湯という名の銭湯を見つけることができました。定休日は水曜。営業時間は16時〜23時とのことでした。門司港付近で唯一残っている銭湯だそうです。
銭湯を見つけた後、下校中の子どもたちの声につられて、路地をふらふら。
子ども達はかくれんぼしながら下校中のようです。「どこかにかくれとうとー」という声がします。
これなら物干し台が風で飛ばされることもありません。これも一種のスクウォットなのでしょうか。
しばらく歩くと、封印された神社を発見。見知らぬ街をうろうろすると結構面白いものが見つかります。
いわゆる「置き台」も見えます。あそこで座って付近の住民がお喋りに興じたりするのでしょう。人が関係を作りやすい空間になっていると思われます。水槽で足を止めた通行人はきっと、もしも置き台に人が座っていたなら、水槽のことを話題にするでしょう。そして会話が生まれるのでしょう。つまり関係が生まれるのでしょう。
市場巡り1日目
6/6。10時ぐらいに起床し、市場巡り開始です。 今回巡る予定の市場は、下記の11箇所*1。
最初に、門司港から最も離れた距離にある田ノ浦食品センターに徒歩で向かったのですが、なかなか遠い距離にあったため疲れてしまい、あっさり引き返すことに決定。10年前とくらべると、明らかに歩く能力が落ちています。
田ノ浦食品センターに向かう途中で見かけた怪しいお店。キューピーという言葉と、寿司という言葉の、予想だにしない融合。
次に、ショッパーズ老松に向かいました。こちらは門司港からあまり離れていません。
大きな建物の中にショッパーズ老松はあります。八百屋と魚屋とうどん屋が営業しており、そこそこ活気がありました。ここで下関産のトマト(大玉)2個を100円で購入。
プラザ祇園の看板。祇園という文字は見えません。こちらはアーケード形式の建物です。ややがらんとしていて寂しい雰囲気ですが、花屋、八百屋、御土産屋、休憩所などがありました。10年前に明太子をご馳走してもらった明太子屋さんが今だ健在でした。店長と思しき人が客と親しげに会話しており、素朴に嬉しく思いました。
次に、門司中央市場へ。
老松公園から門司中央一番の入り口が見えます。中央という名の付く市場なので、それなりに大きくて活気のある市場が期待できます。
しかし、市場の中はシャッターだらけでした。訪れる時刻が早すぎたのでしょうか。それとも店舗が減ったのでしょうか。心配です。門司中央市場の入り口付近の八百屋でトマト(大玉)を1個100円で購入。若松産のトマトで非常に酸味があるとのこと。
後継者不足や、買い物客の激減等により、市場内部の店舗が閉店を余儀なくされている現状は、10年前から見知っていたことなので、今更このような事態を目にして驚くことはないのですが、やはり残念な気持ちになります。なんとかならないものでしょうか。
次に向かったのは小原市場。
すっぽりと店舗が一つのビルに納まっています。八百屋、園芸品店、魚屋等が営業していました。10年前に、河豚をご馳走になったお店がまだ残っていました。嬉しくなります。
小原市場の傍には、栄町銀天街というアーケード形式の商店街があります。実は私は「市場」と「商店街」の違いを理解しておりません。個人的には商店街も市場に含めてよいのではないかと思っているのですが、実際はどうなのでしょうか。
店の中にうどんを食べている人々が見られたのですが、店先では野菜がなかなか大規模に売られておりました。多角的経営というやつでしょうか。
市場巡り2日目
6/7。市場巡り2日目です。
この日から、10年前に一緒に市場調査を行った仲間に協力してもらい、複数人で市場を巡ることになりました。
トマトのことを仲間達に話すと、「シゲの言う美味しいトマトはもしかしたら若松産ではないか。であるなら門司付近の市場だけでなく、若松付近の市場に行ってみてもいいかも」という話になり、この日は若松の市場を巡ることになりました。
若松に向かう途中の小倉の街で見かけた病院(?)。外科という言葉と古風な建物の同居がたまりません。
初めて足を踏み入れた若松には、複数の市場が集中して存在しておりました。
あつあつの練物を頬張りつつトマトを探すも、なかなかやっぱり見つかりません。
旨いトマトを売る良いお店があると言われ、仲間に連れて行かれたのは、明治町銀天街という名の商店街。
松尾商店では非売品のプチトマトや、塩トマトや水切りトマトといった若松ならではのトマトがあり、これらは確かに美味しいトマトだったのですが、私が探し求めている臭みのあるトマトではありませんでした。
「いったいどこにそのトマトはあるんだろうねー」と会話しながら若松から門司に車で戻り、門司周辺の市場巡りを再開。昨日の続きということで、さっそく柳町市場に向かったのですが…。
柳町市場の中は真っ黒でした。付近の人に聞くと「潰れた」ということでした。
小原戸上市場に向かう道すがら、あやしい地蔵を発見。過剰にガムテープで補強されていました。
写真を撮るのを忘れたのですが、小原戸上市場の正式名は、「戸ノ上小原市場」のようでした。住所も、1丁目4-25付近が正しいようでした。市場には魚屋等があり、こじんまりとした市場でした。
次に、大里中央市場に向かいました。ここも写真を撮り忘れてしまったのですが、平山青果という名の八百屋さんが一軒のみ営業しておりました。真っ暗な市場内部で営業している八百屋では、近所のご婦人方が複数集まり、お喋りに興じていました。確か10年前もこのような状態だったと記憶しています。
西門司市場と藤松市場は、場所自体を探すことができませんでした。もともと存在していなかったか、潰れて駐車場になってしまったかのどちらかだと思われます。写真は朝日市場。我々が最後に巡った市場です。
市場内の万国国旗は10年前と変わりません。しかし店舗数が激減していました。とにかくシャッターが目立ちます。
結局、探していたトマトは今回は見つかりませんでした。しかし、旅の最後に、大学時代の恩師と会う機会があり、私がトマトを買った市場の風景を話したところ、その市場は田ノ浦食品センターである可能性が高いことが分かりました。次回はそこに真っ先に向かう予定です。
*1:[https://maps.google.co.jp/maps/ms?msa=0&msid=109253107661080390893.0000011208a816563f5df&cd=2&sll=33.904039,130.88417&sspn=0.100001,0.201611&hl=ja&brcurrent=3,0x3543c76849636da9:0x388ab930297e38e7,0&ie=UTF8&ll=33.889227,130.850601&spn=0.199499,0.291824&z=11&source=embed:title=北九州市場マップ]から市場を絞りました。