2022-01-01から1年間の記事一覧

ベイトソンとマルクス─エラーの産物としての貨幣、あるいは、社会の存立に不可欠なエラー

先日、大学院時代の友人から、「マルクスは、エラーの産物である貨幣を、一掃しようと考えていた」と聞かされました。 恥ずかしながら、マルクスの本を一度も読んだことがない私ですが、貨幣の性質を、クラスとメンバーの秩序を無視する存在であるとマルクス…

ベイトソンについてだらだら語り合う会やりたいな

スポーツの世界の物語性: 「からだ」から表現へ (MyISBN - デザインエッグ社) 作者:矢野徳郎 デザインエッグ社 Amazon 私は以前、ベイトソンの学習理論に関して、ブログに下記の記事を書いた。 2020年頃、この記事からの引用許可を、とある研究者が求めてき…

唾棄すべき輩としての相対主義者─あるいは、怒りの人類学者ボアズの精神について

怒れる人類学者ボアズ 「全ては相対的であり絶対的なものはない」という考え方 「全ては相対的であり絶対的なものはない」という前提を掲げて、「ああ。それはあなたの考え方ですね(私はそれを強く否定はしないが、それに強く賛同もしない)」と言わんばか…

性の営みに見る世界の曖昧さ、あるいは豊かさ

世界各地には様々な恋愛のかたちがあり、人は例えば一夫一婦制だけに基づいて恋愛を経験しているわけではない。 また、性の営みに対する考え方も様々であり、「付き合う」 や「結婚する」や「買春・売春」とは文脈の異なるかたちでの性の営みも存在する。 ◆ …

沖縄昔話:臆病で視野の狭い冷たい私に、影響を与えた同級生と某先輩の話

高校生の頃、「米軍基地に対する自分の関心のなさ」を話すと、隣の席の同級生が、次のような話をしてくれた。 小学生の頃、歩道橋のそばに米兵が立っていた。服装を見ればすぐに分かる。ニヤニヤしながらずっと立っていた。下半身を露出させながら。とても怖…

優しくて凶暴な人類学者との対話

研究に戻るか、それとも、このままIT企業で働き続けるか。 一時期、このような迷いに私はとらわれていた。2006年頃の話である。 ふらふらと、古巣の研究室を訪れた私は、そこに赴任してきたばかりの人類学者に遭遇した。 その、優しくて凶暴な人類学者は次の…

Let it goの訳し方

あのさー俺、最近たまたまさー、小児がん病棟関係の動画を見つけて視聴して、いたく感動してたわけ。 で、この動画でリンキンパークという団体のIridescentという曲が使われてんだけど、サビのLet it goという部分を「あきらめろ」って訳している動画があっ…

岡田索雲『ようきなやつら』の感想

久々に漫画を購入した。面白かった。 ようきなやつら (webアクションコミックス) 作者:岡田索雲 双葉社 Amazon 『ようきなやつら』における妖怪の描かれ方と、京極夏彦によるそれの類似点 あとがきを読んで、この漫画の出版に京極夏彦が関与していたことが分…

The Tobii Eye Gaze Learning Curve opens the door to Eye Control and Gaze Interaction ─ トビー視線学習曲線は視線での操作と視線での交流を可能にする

トビー視線学習曲線 ストックホルム、2012年10月12日 ─ 視線追跡による拡張コミュニケーションと支援技術装置の世界的なリーダーであるTobii Assistive Teconologyは、トビー視線学習曲線を発表しました。これは、眼の操作と視線でのやり取りのための、段階…

『14歳で"おっちゃん"と出会ってから、15年考えつづけてやっと見つけた「働く意味」』の感想

本を読んで久々に感動した。 14歳で"おっちゃん"と出会ってから、15年考えつづけてやっと見つけた「働く意味」 作者:川口 加奈 ダイヤモンド社 Amazon 筆者の川口さんは、14歳の頃に、近所で日雇い労働者(おっちゃん)を見かけ、炊き出しに参加し、彼らが置…

Cyberspace Berserker

2016年頃になるでしょうか。 ネトウヨとの闘いに明け暮れ、その体験に基づいて小説を執筆し、某新聞社の文学賞に、応募したことがありました。 応募時に新聞社へ送付した私の写真を、友人に贈呈したところ、Cyberspace Berserkerという名の、おどろおどろし…