書評

『マインド・タイム 脳と意識の時間』におけるリベットの時計実験に対する疑問点

マインド・タイム: 脳と意識の時間 (岩波現代文庫 学術 429) 作者:ベンジャミン・リベット 岩波書店 Amazon 空手の師匠に、ベンジャミン・リベットの研究を紹介された。 師匠は、「我々の意識は、0.5秒前の過去しか認識できないが、それでも無意識によって反…

岡田索雲『ようきなやつら』の感想

久々に漫画を購入した。面白かった。 ようきなやつら (webアクションコミックス) 作者:岡田索雲 双葉社 Amazon 『ようきなやつら』における妖怪の描かれ方と、京極夏彦によるそれの類似点 あとがきを読んで、この漫画の出版に京極夏彦が関与していたことが分…

『14歳で"おっちゃん"と出会ってから、15年考えつづけてやっと見つけた「働く意味」』の感想

本を読んで久々に感動した。 14歳で"おっちゃん"と出会ってから、15年考えつづけてやっと見つけた「働く意味」 作者:川口 加奈 ダイヤモンド社 Amazon 筆者の川口さんは、14歳の頃に、近所で日雇い労働者(おっちゃん)を見かけ、炊き出しに参加し、彼らが置…

ブックカバーチャレンジ7日目:とても普通の人たち 北海道浦河べてるの家から

7日目。『とても普通の人たち 北海道浦河べてるの家から』著者:四宮鉄男 とても普通の人たち ベリーオーディナリーピープル~浦河べてるの家から 作者:四宮 鉄男 メディア: 単行本 べてるの家の実践を知ったのは、大学1年の秋頃だったと記憶している。 「幻…

ブックカバーチャレンジ6日目:秩序の方法

6日目。『秩序の方法』著者:浜本満 秩序の方法―ケニア海岸地方の日常生活における儀礼的実践と語り 作者:浜本 満 メディア: 単行本 著者が私の修士時代の指導教官であり、今でも交流の続いている友人でもあるので、この本について文章を書くと、時を忘れて…

ブックカバーチャレンジ5日目:洗脳原論

5日目。『洗脳原論』著者:苫米地英人 洗脳原論 作者:苫米地 英人 発売日: 2013/01/28 メディア: Kindle版 これも卒論執筆の際に参照した本です。 オウム真理教信者の脱洗脳という国家プロジェクトに関与した脳機能学者・苫米地英人氏による脱洗脳技術(デ…

ブックカバーチャレンジ3日目:明治柳田國男全集26 明治大正史世相編

3日目。『柳田國男全集26 明治大正史世相編』著者:柳田國男 柳田国男全集〈26〉 (ちくま文庫) 作者:柳田 国男 メディア: 文庫 大学で受講した民俗学の講義の課題図書でした。 講師の名前は重信幸彦。昭和初期の怪しい弁士のような語り口の重信先生と共に、…

ブックカバーチャレンジ2日目:三四郎

2日目。『三四郎』著者:夏目漱石 三四郎 (岩波文庫) 作者:夏目 漱石 発売日: 1990/04/16 メディア: 文庫 二十歳前後に読んだ小説の中で、最も色鮮やかに記憶に残っているものです。 物語の舞台は東京なのですが、大学入学を機に沖縄から九州に引っ越した自…

ブックカバーチャレンジ1日目:精神の生態学

1日目。『精神の生態学』著者:グレゴリー・ベイトソン 精神の生態学 作者:グレゴリー ベイトソン メディア: 単行本 ベイトソンの名前を初めて知ったのは、高校2年の頃だったと思います。家にあった心理学の参考書的な本を通して、でした。 当時、「自分は…

『奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録』

実家に帰省中、下記の本を読む機会に恵まれた。奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録作者: 石川拓治,NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2008/07メディア: 単行本購入: 32人 クリック: 361回この…

ナチュンの感想

『ナチュン』を読んだ。1巻から3巻までをまとめて購入し、いっきに読みきった。非常に面白い。そうか。フィールドワークの経験は、このような形でアウトプットすることもできるのか。評価に値する人類学的な理論や知見が展開されているわけではない。しか…

保苅実さんの主張を私は正しく要約できているのだろうか?

「現地の人の語りを「史実」として扱え」と保苅実さんは主張していないのでは? 保苅実さんが立てた問いを私は、前回のエントリーにおけるコメント欄にて次のように要約した。 「現地の人にとって「真摯な経験(リアルな経験)」であれば、それだけでこれら…

霊に対する京極堂のスタンス

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)作者: 京極夏彦,笠井潔出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/09/14メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 282回この商品を含むブログ (435件) を見る水木しげる&京極夏彦 ゲゲゲの鬼太郎解体新書作者: 水木しげる,京極夏彦出版…

異界談義

異界談義(角川書店 国立歴史民俗博物館編) 異界談義作者: 池上良正,山田慎也,京極夏彦,島村恭則,常光徹,内田順子,小松和彦,鈴木一馨,国立歴史民俗博物館出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2002/07メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 11回この商品を含む…

べてるの家

正月なので、積ん読していた本を読んでいた。「べてるの家」関係の本に、ざっと目を通した。降りていく生き方―「べてるの家」が歩む、もうひとつの道作者: 横川和夫出版社/メーカー: 太郎次郎社発売日: 2003/03メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 54回この…

社員旅行でマレーシア

突然ですが、5日間ほどマレーシアに行っておりました。ボルネオと呼ばれる島の海岸部に滞在しておりました。いわゆるリゾートというやつです。サラリーマン(≒イギリス人)のコスプレにあきて、ついついフラッと旅立ったのではありません。社員旅行という名…

嫉妬

『「ひきこもり」だった僕から』を読んでいる。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062110725/250-5977602-9543431元ひきこもりであり、現在はひきこもりの相談員として活躍している筆者の切実な思いが痛いほど伝わってくる。『ひきこもりカレンダー…

「引きこもり」あるいは「ニート」強化月間

考えてみると、私は「引きこもり」や「ニート」についてあまり深く考えたことがない。自分自身が「引きこもり」や「ニート」と非常に近い存在であったにもかかわらず、「引きこもり」や「ニート」について、まとまった考察を行ったことがない。いい機会だか…

近づくな

現在働いている職場は、三越前駅に近々移転する。移転までの残り少ない日々を悔いなく過ごせるよう、昼休みは散歩をしまくっている。しかし気がつくと足は、自然に八重洲ブックセンターへ向いている。本のある空間さえあればどうやら私は満足らしい。4階に…

購入

amazonで古本を購入。『正しい戦争は本当にあるのか』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860520319/250-5977602-9543431『結婚しません。』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062749610/250-5977602-9543431

白根山と草津の湯

会社の人たちと山に行き、そこで妙な色をした池を見てきた。http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/305_Kusatsu-Shiranesan/305_index.htmlそして下記の山小屋に泊まった。http://www21.cx/yoshi/料理がうまい。犬がジャズに共鳴する(Cの音に反応)。9時に…

読みたい!

ふらふらとネット上をさまよっていると、次のような本の存在を知ることができた。戸田山和久 2005 『科学哲学の冒険』 NHKブックス http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140910224/249-1743609-7963544宮崎哲弥さんも、上記の本を好意的に取り上げて…

おお!

新宿の紀伊国屋で統計に関する本を探していたら、通りかかった文化人類学のコーナーに花渕さんの本を見つけた。http://shumpu.com/book/index.php?itemid=431すげー。ついに本になったのかあ、と手に取ってみる。派手な表紙だ。分厚い。そして値段も高い。研…

今日の立ち読み

私は本屋でよく立ち読みをする。今日は北千住のマルイの紀伊国屋で、次の本を立ち読みした。『世界冷や汗ひとり旅』 西本 健一郎 (著) http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4796646213/qid=1116147175/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/249-0955448-4106723『ダラ…

くにたち野道

ひさしぶりに、研究室に行き、院の仲間たちと酒を飲んだ。一松で鍋を楽しみ、徹夜でカラオケをして、研究室でUNOをし、最後は寝袋にくるまって寝た。人類学関係者のあいだで、『ラディカル・オーラル・ヒストリー』という本が最近話題になっていることを知っ…