ブックカバーチャレンジ1日目:精神の生態学

1日目。『精神の生態学』著者:グレゴリー・ベイトソン

精神の生態学

精神の生態学

 

 ベイトソンの名前を初めて知ったのは、高校2年の頃だったと思います。家にあった心理学の参考書的な本を通して、でした。

当時、「自分は何かしら重大な精神の病に罹っている。だとしたらこれを治さねば」と思い悩んでいた私は、家や図書館で見つけた心理学や精神医療関係の本を、貪るように読んでおりました。

しかし、いくら本を漁っても解決策が得られません。途方に暮れていたある日、パレット久茂地の本屋で大学院関係の本を手に取りました。そして、「大学院とやらに行けば、どうやら研究というものができるらしい。ならば私はそこで自分の病の治し方を研究しよう。どこでもいいから大学を出ていれば大学院の受験資格が得られる。であれば、受験勉強に時間と労力を徒に費やすことはやめて、等身大の学力で合格できる大学に行き、大学院を目指そう」という天啓を得ました。

それから安心して、受験勉強そっちのけで、本を貪り読む生活を再開したのでした(本もいいけど、まずは心療内科に行きなよと、過去の自分にアドバイスしたいです。この視野の狭さこそが諸悪の根源なので仕方ないのですが、当事者研究を独りでしていたといえるのかもしれません)。

実際にベイトソンの『精神の生態学』を読んだのは大学生の頃で、その神髄の片鱗を掴めたと実感できたのは、大学院修士課程を出て4年後ぐらいのことでした。

今でも私はベイトソンの思想を完全には把握できていません。そして私にとっての重大な問題である精神の病は、いつのまにか私自身となり、融通無碍なものに変化したのでした。