気になる人

『マインド・タイム 脳と意識の時間』におけるリベットの時計実験に対する疑問点

マインド・タイム: 脳と意識の時間 (岩波現代文庫 学術 429) 作者:ベンジャミン・リベット 岩波書店 Amazon 空手の師匠に、ベンジャミン・リベットの研究を紹介された。 師匠は、「我々の意識は、0.5秒前の過去しか認識できないが、それでも無意識によって反…

ベイトソンとマルクス─エラーの産物としての貨幣、あるいは、社会の存立に不可欠なエラー

先日、大学院時代の友人から、「マルクスは、エラーの産物である貨幣を、一掃しようと考えていた」と聞かされました。 恥ずかしながら、マルクスの本を一度も読んだことがない私ですが、貨幣の性質を、クラスとメンバーの秩序を無視する存在であるとマルクス…

ベイトソンについてだらだら語り合う会やりたいな

スポーツの世界の物語性: 「からだ」から表現へ (MyISBN - デザインエッグ社) 作者:矢野徳郎 デザインエッグ社 Amazon 私は以前、ベイトソンの学習理論に関して、ブログに下記の記事を書いた。 2020年頃、この記事からの引用許可を、とある研究者が求めてき…

唾棄すべき輩としての相対主義者─あるいは、怒りの人類学者ボアズの精神について

怒れる人類学者ボアズ 「全ては相対的であり絶対的なものはない」という考え方 「全ては相対的であり絶対的なものはない」という前提を掲げて、「ああ。それはあなたの考え方ですね(私はそれを強く否定はしないが、それに強く賛同もしない)」と言わんばか…

性の営みに見る世界の曖昧さ、あるいは豊かさ

世界各地には様々な恋愛のかたちがあり、人は例えば一夫一婦制だけに基づいて恋愛を経験しているわけではない。 また、性の営みに対する考え方も様々であり、「付き合う」 や「結婚する」や「買春・売春」とは文脈の異なるかたちでの性の営みも存在する。 ◆ …

沖縄昔話:臆病で視野の狭い冷たい私に、影響を与えた同級生と某先輩の話

高校生の頃、「米軍基地に対する自分の関心のなさ」を話すと、隣の席の同級生が、次のような話をしてくれた。 小学生の頃、歩道橋のそばに米兵が立っていた。服装を見ればすぐに分かる。ニヤニヤしながらずっと立っていた。下半身を露出させながら。とても怖…

優しくて凶暴な人類学者との対話

研究に戻るか、それとも、このままIT企業で働き続けるか。 一時期、このような迷いに私はとらわれていた。2006年頃の話である。 ふらふらと、古巣の研究室を訪れた私は、そこに赴任してきたばかりの人類学者に遭遇した。 その、優しくて凶暴な人類学者は次の…

Let it goの訳し方

あのさー俺、最近たまたまさー、小児がん病棟関係の動画を見つけて視聴して、いたく感動してたわけ。 で、この動画でリンキンパークという団体のIridescentという曲が使われてんだけど、サビのLet it goという部分を「あきらめろ」って訳している動画があっ…

岡田索雲『ようきなやつら』の感想

久々に漫画を購入した。面白かった。 ようきなやつら (webアクションコミックス) 作者:岡田索雲 双葉社 Amazon 『ようきなやつら』における妖怪の描かれ方と、京極夏彦によるそれの類似点 あとがきを読んで、この漫画の出版に京極夏彦が関与していたことが分…

2015年の黄金週間のまとめ

朝8~9時頃に起床してトイレ。洗面所へ移動し、洗顔とうがい。その後、朝食として麦茶とスナックパンbyオキコと納豆を食べ、歯磨き。洗濯物を干し、庭の花木や稲の苗床へ水を遣り、自室でメールチェック。そのまま12時頃まで講義準備を行い、12:30頃に台所…

2015年3月23日から2015年3月28日までの旅の記録

3月下旬に、旅に出ることにしている。 旅といっても、見知らぬ土地に行くのではなく、いつも九州に行っている。特に、北九州には、東日本大震災以降、毎年必ず足を運んでいる。北九州は、父の故郷であり、私が4年間を過ごした大学の所在地であり、私にとって…

逃げてるだけっ!のりこえられるっ!あきらめるなっ!

土曜の23時頃、その男は現れたのだという。 場所は沖縄県北谷の美浜。クリスマスを彷彿とさせるイルミネーションの輝く一角。 「ふれーふれーみーんーなーっ!」という大声が、突如響き渡ったのだという。 もちろん、周囲にいた人々は警戒した。酒に酔った変…

桂枝雀という落語家

桂枝雀という名の落語家に関するドキュメンタリー番組を視聴する機会があった。その感想を簡単に記しておきたい。 何よりも、笑いを理詰めで分析していたことに面白さを感じた。特に、笑いのタイプを13種類に区別していた点には驚いた。この分類表にはイメー…

ガンジーの非暴力主義に関する覚書

ガンジーの非暴力主義の詳細を知りたいと思い、ネットで検索した。すると、以下のような動画を見つけることができた。http://democracynow.jp/video/20120605-9非常に興味深い内容であった。これまで私はガンジーによる非暴力主義の内容を「暴力を振るわない…

妹と甥っ子の出発

昨日の甥っ子。また同じ姿勢で寝ていました。 生後7ヶ月にして既に自分のスタイルが確立されているようです。 6月下旬から沖縄に滞在していた妹と甥っ子が本日本土に帰ります。寂しくなります。途中で立ち寄る東京で、放射性物質を吸いませんように。妹の家…

ユニオンエクスタシー

北千住駅前の広場で演説をする政治家を、何度か目にしたことがある。政治家達の演説は、どれも熱意のこもった、真剣な演説のようであった。しかし、政治家達が伝えたかったことを私は一切受け取れていない。演説の内容を、そのほんの一部でさえ覚えてない。…

真喜志民子と真喜志勉

某プロジェクトの首謀者であるインディペンデントキュレーターが、そこに顔を出すというので、重森さんは会社を早めに出て駆け付けた。http://azabujuban-gallery.com/ギャラリーに足を踏み入れた重森さんは若干戸惑った。この日はちょうど、真喜志民子さん…

武田鉄矢

「男は強いんだぞ!」とか言っておきながら、涙を流しまくる片山刑事(武田鉄矢)が、重森さんは、大好きでした。 参考資料 http://www.nicovideo.jp/watch/sm3931041 http://www.nicovideo.jp/watch/sm2375923 http://www.nicovideo.jp/watch/sm2376203 htt…

『人間講座「言葉の力・詩の力」』の復活を心から願う会

随分前にどこかの旅館で、『人間講座「言葉の力・詩の力」』という番組を見る機会があり、その面白さに衝撃を受けたことがある。それは、巷で耳にする歌の歌詞を紹介し、そこに登場する言葉を延々と批評していくというスタイルの番組であった。その批評を行…

自立したホームレスを称賛することの功罪と私達の責任

ここ数日、私は隅田川の鈴木さんを称賛し続けている。ホームレスと呼びうるような生き方をしている鈴木さんは、会社や国家の制度に全く頼らないという意味において、自立した人間といえそうである。私はまさに鈴木さんのこのような自立状態を称賛の的にして…

『奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録』

実家に帰省中、下記の本を読む機会に恵まれた。奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録作者: 石川拓治,NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2008/07メディア: 単行本購入: 32人 クリック: 361回この…

「大丈夫であるように Cocco 終わらない旅」上映開始

いつのまにか上映開始になっていた。http://www.dai-job.jp/既に見てきた人の感想がちらほら。今週の土日あたりに鑑賞できれば。

交換物としての「ヤムイモの見つけ方」

ココアとの交換物として私は何をエノアールに持参したらいいのだろうか。そんなことを考えながら歩いていると、近所の神社で、銀杏を拾っている中年女性を見かけた。銀杏は無料で手に入る食料である。つまり「ただ」である。「これだ!」と気付いた私は、エ…

エノアール・カフェを発見する

友人と渋谷で会う。天気が良いこともあり、某公園まで足をのばした。銀杏の木の黄色が素晴らしい。秋らしく色づいた木々の中を、黄色の絨毯を踏みながら、ひたすら歩く。すると遠くにブルーシートが見えた。もしやと思い近づき、そこにいた男性に、「あのう…

雨と雷の日の

交通整理おじさんを見た。相変わらずサングラスをかけて、雨と雷の中、交通整理をしていた。交通整理というよりも、車を威嚇していた。腰の位置で黄色い旗を両手で掴み、狭い十字路の真ん中に仁王立ちし、食いしばった白い歯を見せながら、ぐるぐるがるると…

山口洋

やはり編集者の強い勧めを受けて、沢知恵さんという方と、山口洋という方のジョイントライプを鑑賞した。非常に良かった。「すばらしいもの」を見たと思う。沢知恵さんのパフォーマンスは炎のようでもあり、優しい風のようでもあった。そして山口洋さんのパ…

交通整理おじさん

家の近くに米屋がある。その米屋のおじさんが、店の前の十字路を、交通整理している姿をみかけることがある。小さな十字路である。道の幅は3メートルぐらいだろうか。交通整理をするほどでもないという印象を受ける。しかし、交通整理をするおじさんの気迫は…

Difang(あるいは郭英男)

この曲を初めて耳にしたのは高校一年生の頃。曲の合間に、伸びやかな気持ちの良い声が聞こえてきたとき、「喜納昌吉っぽいこの声は一体誰だ?」と疑問に思ったことを覚えている。 あれから何年経っただろうか。なんとなくこの曲について調べていたら、Difang…

ネグリ

週末、東京芸術大学で、ネグリという人に関する大イベントが開催されるらしい。私は、ネグリという人について全く知らない。何を目指したどういう人なのだろうか。良い機会なので、また、面白そうな映画もたくさん見られるらしいので、行ってみたいと思いま…

ビリー牧師

大量消費社会批判を行うビリー牧師なる人物に、前々から関心を持っていた私は、2007年11月27日における町山氏の話に耳を傾けてみた。ビリー牧師は、私利私欲にまみれた商人にイエスキリストが暴力を振るったエピソードを聖書から引用し、「イエスキリストが…