論文

『マインド・タイム 脳と意識の時間』におけるリベットの時計実験に対する疑問点

マインド・タイム: 脳と意識の時間 (岩波現代文庫 学術 429) 作者:ベンジャミン・リベット 岩波書店 Amazon 空手の師匠に、ベンジャミン・リベットの研究を紹介された。 師匠は、「我々の意識は、0.5秒前の過去しか認識できないが、それでも無意識によって反…

ベイトソンとマルクス─エラーの産物としての貨幣、あるいは、社会の存立に不可欠なエラー

先日、大学院時代の友人から、「マルクスは、エラーの産物である貨幣を、一掃しようと考えていた」と聞かされました。 恥ずかしながら、マルクスの本を一度も読んだことがない私ですが、貨幣の性質を、クラスとメンバーの秩序を無視する存在であるとマルクス…

不確定性を飼い馴らす─物語論的解釈を用いた妖術研究の課題

はじめに 本稿は、人類学における妖術研究の動向を追い、博士課程において妖術に照準を合わせた現地調査を行う予定である筆者自身の課題を明らかにするものである。 具体的には、90年代から頻繁に刊行されているアフリカの妖術に関連した研究群を概観した…