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イラクで殺された青年について

国家と戦争


かわいそうに。痛かったろうな。

あの動画を見てみた。

気持ち悪くなるというよりも、私はまっさきに悲しくなった。

私はアラビア語を理解できない。あの動画を流すことによって、犯人たちはどのような影響を、日本政府に与えたいのだろう? 「軍隊を撤退させないから予告通り人質を殺す。俺たちをなめるなよ。」と犯人たちは伝えたいのだろうか? 

かりにそうであったとしよう。しかし日本政府は、今後再び人質が取られたとしても、「テロには屈しない」と繰り返すのみであろう。なぜなら日本はアメリカの属国だから。アメリカのご機嫌が伺えるならば、人質が何人殺されようと構わないのだ。

だからテロリストのやりかたはまったく理にかなっていない。ブッシュさんに代表されるアメリカと、テロリストたちは、お互いに刺激し合っているにすぎない。自国の人質が殺されても、むしろブッシュさんは「テロと戦う!」とますます決意するだけであろう。そして小泉さんはそれに追従するだけであろう。

もっといい方法はないのだろうか。

残念ながら私は、代替案を思いつくことができない。

今回の事件は絶対に他人ごとではない。

2 年前に調査でケニアへ行ったとき、私は現地で「日本の小泉はアメリカに協力している。早急にそれをやめろ。」と、英語で激しく言われたことがある。つかみかからんばかりの勢いだった。バスの中でいきなり挑みかかってきた髭面の、この中年男がイスラム教徒かどうかは分からない。しかし私はとても怖い思いをした。まっさきに私は小泉さんをうらんだ。「いつまでもアメリカの言いなりになってんじゃねーよ。」と。「とっとと憲法第九条を改正して、軍隊を整備して、自分の運命を自分で左右できるようになるべきだ日本は。「思いやり予算」なんかもう払うな。」と思った。

もちろん、私の見解には熟慮すべき点が多くある。私の考えに対しては、「これは軍国主義の再来ではないか?」という批判がまっさきに成り立つ。

しかし、軍隊は絶対に必要だ。考えてみてほしい。銃や警棒を装備し、戦闘訓練をつむ、警察という組織が、犯罪者を取り締まるために存在しているといえるように、自分の生きる国や地域を他国の攻撃から守るために、それ相応の組織を用意することは当たり前のことといえないだろうか? 「軍隊など必要ない」という主張は、「警察など必要ない」という主張と同じものに思える。もしも警察がなくなったならば、どのようにして犯罪者(秩序を乱すもの)を統制するのだろう? 町はまさしく無秩序状態と化すだろう。

そして日本は今、自らの身を守ってくれる警察としてのアメリカに、頼りきっているのである。依存しているのである。「もしも北朝鮮が攻めてきても、アメリカがどうせ守ってくれる」と考えるからこそ、アメリカに逆らえないのだ。

「軍隊などいらない。平和が大事だ。こちらが武装するから相手も武装するのだ。他者に対する恐怖をまずは乗り越えよう。相手が攻撃してきても話し合いで解決したらよいのだ。ラブアンドピースが大事だ。」

などという考えに私は賛成できない。「徹底的に凶悪な他者」もいるからだ。たとえば、私が住む北千住の近く、綾瀬で数年前に起きた、女子高生コンクリート詰め殺人事件の犯人のように、「徹底的に凶悪な他者」もいるからだ。このような他者に対して、無防備でいられるほど、私は強くない。ガンジーのように、非暴力主義者にはなれない。大人しく黙ってレイプされろと言うのか?

しかし。大人しく黙ってレイプされるのが、一番素晴らしい生き方のような気もする。その点で、私は今回イラクで殺された青年を尊敬する。もしも私が彼と同じ立場にいたら、全力で犯人に抵抗するであろう。あの青年は少しも荒ぶることなく、黙って静かに殺された。

軍隊という組織の意思決定機関をどのようにして運営するかが問題だと思う。軍隊とは、武力によって有無を言わせず他者を支配することができる便利な組織だ。施政者が己の欲望のためにそれを利用しないとは限らない。軍隊という力を誰かどのようにしてコントロールするのかという問題についてもっと考える必要があると思う。

文章がまとまらない。

明日も会社なので、そろそろ寝ようと思う。

投稿者 shige : 2004年11月04日 00:25

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コメント
> あの青年は少しも荒ぶることなく、黙って静かに殺された。
動画が公開されている状況に至るまでの過程が分からないので、そうであるかはなんとも言えないと思います。何をどうしても、どうにもならない絶望を受け入れざるを得ない状況であることを認めてしまっていたのではないでしょうか。

> 大人しく黙ってレイプされるのが、一番素晴らしい生き方のような気もする。
私も、今すぐには考えをまとめられませんが、この考え方はおかしいと思います。

投稿者 ごる : 2004年11月04日 12:51

日本が軍隊をもつべきかどうかの以前に、もしそうなった場合その軍隊を誰がコントロールすることになるのかの方が、私には問題です。私は、そんなとてつもないおもちゃを持たせてあげてもよいと考えるほど、今の政治家たちを信じる気にはなれません。
いや、政治家たちだけじゃなく、我々自身も信じられない。いつなんどきトチ狂うかわからない存在は、いざそうなってもはた迷惑にならない程度のものしかもつべきじゃないです。まあ、すでにもちすぎてますが。

投稿者 M・はま : 2004年11月04日 23:20

>動画が公開されている状況に至るまでの過程が分からないので、そうであるかはなんとも言えないと思います。何をどうしても、どうにもならない絶望を受け入れざるを得ない状況であることを認めてしまっていたのではないでしょうか。

ごるによる上記の予測は的を得ていると思います。

>> 大人しく黙ってレイプされるのが、一番素晴らしい生き方のような気もする。
>私も、今すぐには考えをまとめられませんが、この考え方はおかしいと思います。

それでは、どうすればいいのでしょう?

攻撃に対して攻撃で返すのはいかがなものかと私は思うのです。むしろ、攻撃されても反撃しないというあり方に希望を抱いています。

しかし、相変わらず極端だなと思います。

一番いい方法は、相手を殺さない程度に反撃することなのだろうか。バランス感覚が大事ということなのかな。

「やるか/やられるか」の二項対立の枠組みで物事を考えるからいけないのかもしれない。相手の予想を風変わりに裏切るようなことを行うことによって、「やるか/やられるか」の二項対立の枠組みとは別の観点に相手の注意を促すことはできないだろうか。

お互いが仲良くなれるような賢い方法はないだろうか。仲良くならなくてもいいから、せめて殺し合いを避けることができたらいいと思うのだが。 

投稿者 shige : 2004年11月05日 00:32

>M・はま様

>いや、政治家たちだけじゃなく、我々自身も信じられない。いつなんどきトチ狂うかわからない存在は、いざそうなってもはた迷惑にならない程度のものしかもつべきじゃないです。まあ、すでにもちすぎてますが。

下記のサイトにおいて、「(日本は)すでにもちすぎている」ということを、初めて確認しました。

http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2002/01257/contents/417.htm

こんなにもちすぎているとは思っていませんでした。もっと日本の軍備は貧弱だと私は思い込んでいたようです。ああ恥ずかしい。

はまがおっしゃりたいことはとてもよく理解できます。私も自分が一番信じられません。

しかし、どうすればいいのでしょうか。日本がアメリカに追従している限り、日本と日本人はどんどん中東の人々に嫌われていくと思います。

モンバサでイスラエル行きの飛行機がロケット弾で狙われた事件を覚えていますか? 友人たちがフィールドでテロにまきこまれるのではないかと私は心配しています。

投稿者 shige : 2004年11月05日 01:04

自分の意見におかしい点をふたつ見つけた。

1、憲法第九条を改正しろ

十分すぎるほどの兵力をすでに日本は有しているので、憲法第九条をいまさら改正する必要はないのではないか? わたしは日本の軍備はお粗末なものであり、そのお粗末さは憲法第九条に起因すると思い込んでいた。

(↑憲法第九条は、先制攻撃を禁じる。だからこそ、軍隊にとって第九条は必要ないものといえるのではないか?)

そうなると次なる疑問が浮かぶ。

なぜ日本はアメリカに追従するのか? 憲法第九条がるにもかかわらず、日本の軍隊はすでに存在しており、その兵力はイギリスのそれに勝るとも劣らないのであるならば、なぜ日本は、わざわざアメリカのご機嫌をとるのだろう? 石油や貿易といった別の側面において、アメリカと良好な関係を保っていたいからであろうか? 「日本を他国の脅威から守って欲しい」と願うからこそ、歴代の首相は、アメリカに従っているものとばかり私は思っていた。どうやらこの考えは的を外しているようだ。

思いつくことを下記に列挙してみる。

?@、アメリカ軍基地としての日本(沖縄)

実は日本はアメリカに脅されているのではないか? アメリカは、沖縄を軍事的な目的から絶対に手放したくない。そのため、日本が軍事的に独り立ちしアメリカなしでもやっていけるようになるのをアメリカは阻みたいのではないか? つまりアメリカは日本が未来永劫アメリカに依存することを求めているのである。そして自らに依存するよう日本を脅していると考えられる。確か橋本元首相が「アメリカは恐ろしい」と、上記のような意味において述べていたのを、どこかで読んだ記憶がある…。

?A、首相や政治家が単にバカ

歴代の首相と政治家たちが単にバカだから、なんとなく惰性でアメリカに追従しているのではないか?

?B、警察としてのアメリカ

アメリカに自国を守って欲しいからこそ日本はアメリカに従うのではないか?

?C、経済的な利益

アメリカという商売相手を失うことによって損をする人々が日本におり、そのような人々が、アメリカに追従するよう、日本政府に裏で圧力かけているのでは?

おそらく、アメリカに日本が追従する理由を、すでに軍事評論家や研究者が明らかにしているに違いない。相変わらず私は勉強不足だ。

もうひとつ、自分の考えにおかしい点をみつけた。

私は「徹底的に凶悪な他者」というものを何のためらいもなく想定している。これはやばい。一番やりたくなかったことだ。

ヒトラーの生育歴がどのようなものだろうと、ヒトラーを許すわけにはいかない。」このように述べたのはフロムだったが、私も同様の過ちを犯してしまった。

しかし、様々な環境的要因の産物として、今目の前に「徹底的に凶悪な他者」として立ち現れるしかない存在を前にして、私はいったい何ができるのか。ナイフを振りかざす宅間さんと対峙してしまったならば、私は彼を組み伏せるしかない。すなわち力で対抗するしかない。←組み伏せることは、殺すことではないから、これぐらいしてもいいのではないか?

個人対個人の話を、いきなり、国家対国家というレベルと同一視してはだめではないか? サルに関する研究成果を、いきなり人間にも当てはまるものとして提示するような説明の仕方はいかがなものかと思う。

しかし、「攻撃をするという意思決定がどのようにしてなされるのか」という点においては、「個人対個人」だろうと「国家対国家」だろうと、共通点があるような気もする。。

白黒どっちつかずの曖昧な状況のなかで、「相手が自分を攻撃してくるのではないか?」という「他者に対する恐怖」という想像力が、他者への攻撃をあくまでも「自衛のため」という思惑のもとで発動させる。このことは指摘できると思う。個人対個人だけでなく、国家対国家における戦争の場において。

ああでもこれはあくまでそういうこともあるよという話だよなきっと。「あいつ金もっているな。殺して奪おう」と考えて、相手を攻撃する人もいるだろうし。

以上、発作的ブレインストーミング

投稿者 shige : 2004年11月06日 00:20

憲法改正案が出たそうだ。

http://www.asahi.com/politics/update/1117/004.html

うさんくさい。

自衛軍の任務として、「国際貢献のための活動」を明記」という箇所にひっかかりを覚える。

国際貢献といえば聞こえはいい。しかし結局、アメリカの言いなりになることを、国際貢献と呼ぶつもりではないのか?

だとしたら、何も変わりはしない。

私は次のことを知りたい。

1、自衛軍の指揮は誰がどのようにして行うのか。どのような戦略的な思考を要する人員によって、自衛軍は統率されるのか。

複雑な現実を複雑なまま把握し、かつ、他者とのかけひきや交渉のうまい人物がこのような任務につくべきという観点から、自衛軍の意思決定機関の詳細について、政府は国民に説明するべきだと私は思う。

しかしこのような情報は、「機密事項」という理由により、開示不可能な種類のものだろうか?

だとしたら、余計うさんくさい。

うさんくさい。非常にうさんくさい。