たまには狂気を
F田さんがわざわざ国立から私の自転車を北千住までこいで、持ってきてくれた。
ありがたい。
これで北千住をもっと探検できる☆
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銭湯に言った後、二人で飯を食べた。
それも、「中華洋食の店なにわ」で。
この店はすごい。
狂気の香りほとばしる、稀有なお店なのである。
http://ramentheater.com/walk/naniwa_kitasenju.html
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料理はうまい。冗談ぬきでうまい。
しかし、この店は「何かが過剰」なのである。
その店は、研究に没頭しすぎるあまり、日常生活上のさまざまな雑事を無視することを余儀なくされた、天才数学者の部屋を髣髴とさせる。
「バランス感覚の欠如」という言葉が思い浮かんでしまうような店なのである。
簡単に言えば、偏っているのである。
店長、その人は、料理のうまさのみを追及しすぎるあまり、料理以外のその他のことを、己の思考対象からばっさりと切り捨ててしまった。そんな人のように思えるのである。
素敵だ。
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「なにわ」は、「何かがおかしい何かが」と、思わず考え込んでしまうような、マッドな店なのである。
マンガや映画に出てきそうな、ファンタスティックな場所なのである。
鬼気迫る雰囲気の充満する中、店長が発する狂気のオーラにひしひしと晒されつつ、私とF田さんは黙々と料理を食べ、そして静かに店を出たのだった。
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唸りながら、また来たい、とF田さん。
さすが人類学者。
人類学者は狂気が大好き。
たまには狂気に触れないと。