爆発する薩摩芋

建築家と彫塑家と人類学者と編集者と私の5人で、新宿で遊んだ。

  1. 建築家と謎の「タイ・インド・中国・マレーシア・インドネシア料理屋」で昼食。「わんわよ、沖縄人の自覚がまったくないばーよ」とナンを食べつつ、だべる二人。その後、渋谷から新宿まで徒歩で移動。地下鉄のほとんどは大戦中に日本軍によって既に掘られていた地下道を利用して作られていること。道幅が4メートルに満たない風流な路地のほとんどは、建築法を違反しているのだけど、やっぱり素敵であること。といったことを話題にしながら移動。
  2. 彫塑家が持参してきてくれた茨木のり子さんによる『獏さんがゆく』に熱中。茨木のり子さんによる、詩人・山之口獏の人生史。すごい。これまで私は獏さんを詩人としてしか認識していなかったが、ずっと放浪生活を続けていたことを知り、新鮮なショックを受けた。なぜお金も住所もないのに、獏さんは高貴でユーモラスでありえたのだろう。一番私が感銘を受けた獏さんによる詩は、「求婚の広告」であった。
  3. 『人類館』における「爆発する薩摩芋」に関して、人類学者が目の覚めるような解釈を披露してくれたので、「あ。目に鱗って本当にあったんだ。」と実感。「命を助けるもの」と「命を奪うもの」が、同一のもので表現されている事態に、物事の二面性・両義性を指摘することは確かに可能だと思う。
  4. 編集者がわーっと現れて、わーっと紀伊国屋書店で一緒に『幻視するアイヌ』を探して、わーっと別の敏腕編集者を紹介して、わーっと二次会のバーで喋って、わーっと『おきなわ女性学』の感想を聞いてきて、わーっと仕事に戻っていった。いつもパワフルだ。それにしても、『おきなわ女性学』についてあまり面白いことが言えなかったので反省。何かを語るには日々の読書量が少なすぎる。もっと本を読んで様々な観点から物事を捉えられるようにしなければ。

終電に乗り、翌日の1時頃に帰宅。