PB2150_初等生活科教育法_1単位目

課題
1.生活科の指導計画作成上の留意点を述べよ。
2.第1学年または第2学年における年間指導計画を構想せよ。年間を通していくつかの大単元を構想し、要点を述べること。書く形式は自由とする。なお、想定した地域の都道府県名、市町村名を記すこと。



1.生活科の指導計画作成上の留意点について、以下より述べる。

 生活科の目標とは、①具体的な活動や体験を通すこと、②自分と身近な社会や自然とのかかわりに関心をもつこと、③自分自身や自分の生活について考えること、④生活上必要な習慣や技能を身に付けることの4つの視点の一体的な実現により、自立への基礎を養うことである。ここでの自立には、単なる生活習慣上の自立だけでなく、学習上の自立や精神的な自立という意味合いもある。集団生活ができること、日常生活に必要な技能を身に付けること、他者と対話できること、生きる主体として環境に積極的に働き掛けることが、生活科における自立が具体的に意味するところである。以上から、生活科の意義は、思考と活動、思考と感情等の発達状況が未分化である児童に対し、言葉での指導ではなく、具体的な活動や体験を通した指導を行うことにより、児童が今まさに生活を営んでいる社会や自然の中において、よりよく生きていく術を身に付けられることにあるといえる。

 ところで、生活科は社会科と理科の合科教科であるという誤解があるが、生活科では社会や自然についての客観的認識ではなく、学習者である児童にとっての社会と自然についての認識が重視されるため、社会と自然についての客観的認識を重視する社会科と理科とは性質の異なる科目であることに注意しなければならない。

 生活科の指導計画の作成方法についてであるが、作成時には、①学習活動のまとまり(単元)の構想、②学習活動のまとまりの配列の構想、③学習活動を展開する条件の検討を行う必要がある。なかでも①は、指導計画の内容を決定する作業である点で特に重要である。

 ①の作業は具体的には、生活科の内容として学習指導要領で列挙されている9項目を手掛かりにし、施設等の様々な場所の情報が記載された地図、学校・地域の行事予定の一覧表、季節、児童の関心等を考慮しつつ進められる。例えば、「季節の変化と生活(5項目)」に着目するならば、季節の変化が体験できる活動として、地域の公園が学習の場として構想できる。もしも公園に広場や遊具があるのなら、それらを利用した「自然や物を使った遊び(6項目)」や「公共物や公共施設の利用(4項目)」を取り入れた活動へと構想を展開させることも可能である。このように、学習活動のまとまりの構想時には、想像力豊かに縦横無尽に学習活動の内容を思い描くことが必要であるが、生活科の目標や意義をあくまでも踏まえていることが肝要である。

 以上が、生活科の指導計画作成上の留意点である。

2.以下より、〇〇県△△町立□□小学校第1学年を対象とした年間指導計画の構想を述べる。

■年間テーマ:身の回りのことをいっぱい知ろう。

■ねらい:①体験活動を通して友達を作る。②身の回りの施設・自然・動植物への関心を深める。③学校周辺の公共施設を利用する。④身近な危険への気付きを深める。

【4月】

■単元:学校を探検しよう。

■主な活動:①自己紹介。②学校内探検。③学校の地図の作成とその内容の発表。④サツマイモの苗を植える。

■目標:友達を作り、学校内の設備とその使い方を知る。植物の栽培を通して、自然と触れ合う。

■評価規準:①友達と仲良く活動する。②探検の結果を絵や言葉で皆に伝えられる。③学校内の施設の使い方を理解する。④植物の変化や成長の様子に関心を持つ。

【5月、6月、7月】

■単元:学校周辺を探検しよう。

■主な活動:①学校周辺を探検し、登下校や遊びの際に注意を払うべき危険な場所を、付近の住人に質問したり、自力で探したりして特定する。②危険な場所の地図の作成とその内容の発表。③サツマイモの蔓返しをする。

■目標:学校周辺の危険な場所を知り、危険予測能力・危険回避能力を高め、安全に生活を送ることができるようにする。特に、ハブが潜んでいる場所や、見通しが悪く交通事故が多発している場所に注意を払えるようにする。植物が成長しやすくなるように工夫する。

■評価規準:①友達と仲良く活動する。②探検の結果を絵や言葉で皆に伝えられる。③学校周辺の危険な場所を理解し、危険を回避できる。④植物の成長を促す。

【9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月】

■単元:学校周辺の公共施設を利用しよう。

■主な活動:①学校周辺の公共施設を地図で探し、その役割を辞書で調べて発表する。②施設を見学したり、実際に利用したりする。③サツマイモを収穫する。

■目標:役場、図書館、児童館、町民体育館等の学校周辺の施設の存在を知り、それらを積極的に利用することにより、日々の生活や学習に役立てられるようにする。植物の栽培方法の大切さに気付く。

■評価規準:①教員の指示や施設の規律を守って活動する。②施設の役割や使い方の決まりを理解する。③植物の栽培方法の大切さに気付く。
 

 以上が、〇〇県△△町立□□小学校第1学年を対象とした年間指導計画の構想である。

捕捉

このレポートは要約型レポートです。

課題2が、やや指導案ぽいですが、指定の教科書から参考になる箇所を探し、それを模倣すればOKです。

要約型レポートの書き方については、下記が参考になります。

このレポート、一見簡単そうなのですが、課題2のレポートに欠けている項目があったため、1回目のレポートは不合格になってしまいました><。

生活科の年間計画には内容(7)の要素が必須です!