PA4030_教職実践演習(教諭)_1単位目



1.教師が備えるべき専門的知識・技能として、①使命感・責任感や感性、②教育的な愛情と統率力、③教科等の専門的知識と実践的指導法、④子どもの発達・心身や学習状況の理解、⑤社会人としての基本的な態度の5つの資質能力が挙げられる。これらを全て備えた教師が発揮できる力が、実践的指導力であると私は考える。言い換えれば、これらの資質能力が1つでも欠けていた場合、実践的指導力は発揮不能となるということである。これは、学級経営や生徒指導や教科指導等の、教師としての諸活動に支障が出てしまう状況といえる。

 例えば、④の子どもの発達・心身や学習状況の理解が欠けていたばかりに、児童の教育を受ける権利を侵害するという致命的な失敗を私は犯してしまったことがある。他の学級の児童も参加する、小集団で行われる放課後の教科指導の際に、終始落ち着かず、突発的にお喋りを始める児童がいたため、「勉強したくないなら家に帰りなさい」と毅然とした態度で厳しく注意を行ったところ、児童は萎縮して俯き続け、学習に参加できなくなってしまった。後日、この児童にはADHDの傾向があることを指導教諭から知らされた私は、己の行為を反省し、次回からはこの児童の特性に合わせた指導を心掛けることにした。すなわち、児童の話に耳を傾け、児童の言い分を認めた上で、学習への参加を促すという方法を採ることにしたのである。次の放課後の教科指導時には、指導中であるにも関わらず、この児童は方眼紙でひたすら手裏剣を作り続けていたが、「手裏剣作っているの?」と私は優しく話し掛け、児童が友人に頼まれてそうしていることを確認した後、「約束を守るのは大事だね。手裏剣が完成したら学習に参加してね」と穏やかに伝えた。児童は、手裏剣を作り終えた後に自ら学習に合流してきたため、この接し方が適切であったといえる。

 以上の経験から、実践的指導力とは、5つの資質能力が全て揃ってこそ発揮できる力であると私は考える。私には、①使命感・責任感や感性、②教育的な愛情と統率力、③教科等の専門的知識と実践的指導法、⑤社会人としての基本的な態度は備わっていたかもしれないが、④子どもの発達・心身や学習状況の理解が明らかに欠けていた。そのため、児童の特性を無視し、一方的に学習や規律を強いてしまっていた。児童の特性に沿って行動し、児童の教育を受ける権利を保障できた時に初めて、私に実践的指導力の片鱗が一瞬だけ備わったといえる。今後は、実践的指導力をより高めるために、自分が担当する学級だけでなく、全ての学級の児童の特性を把握し、彼等とも日頃からコミュニケーションを取るように心掛け、児童の特性の理解を徹底させていく所存である。

2.児童の教育環境の整備には、学校の教員組織での同僚教員との協働と、保護者や地域との連携が不可欠である。これらの重要性を以下より論じる。

 同僚教員との協働の重要性は、校務分掌から見て取ることができる。校務分掌とは、学校現場における仕事や役割の分担であり、その内容は、教科書の手配、保健給食活動の推進、上級学校との連携、子どもの健全育成のための地域ぐるみの取り組み等と多岐にわたる。

 これらの中でも、母校の小学校において、同僚教員が連携して取り組む対象として特に注力していた活動は、学校を外部に開かれたものにするための活動であった。登校時の交通整理、朝の丸付けボランティア、読み聞かせ授業、放課後の教科指導、夜の見回り等の活動には、保護者や地域の人々が多数参加しており、これらの協力者の組織化と活動しやすさ・居心地の良さの向上を意図して、募集・事務連絡・慰労会の開催等に、多くの同僚教員が連携し、日頃から時間と労力を割いていた。

 例えば、一人の保護者が、「いつ活動が休みになるのかが分からないので、何らかの形で連絡網が欲しい」という要望を寄せてきた際には、速やかにこの要望を同僚教員は教頭に伝え、事務連絡を効率化するための緊急会議を開催させた。その際には、ITに詳しい教員を招き、携帯やスマホに連絡メールが届くメーリングリストのシステムを導入することで、要望を受けてから約一週間の間に、連絡網の確立を達成させた。

 上記のような、同僚教員の連携による誠実な対応に、保護者や地域の人々は好印象を抱いていた。このことを私が実感したのは、丸付けボランティアの活動時である。この活動では、朝のホームルーム前に児童が解いた計算問題の丸付けを、保護者や地域の人々が教員と共に行うのであるが、この際には必ず保護者や地域の人々と教員との交流が生じる。ここで同僚教員は、連絡網の整備に関し、感謝の言葉を保護者や地域の人々からいただいていた。

 教員に保護者や地域の人々が様々な要望や思いを気軽に伝えることを可能にする上記のような場は、教員や学校を保護者や地域の人々が信頼できるものにすると同時に、学校を家庭や地域が失った教育力を取り戻す場として機能させているともいえる。教員と保護者と地域の人々が、常日頃から教室の傍らで交流し談笑しているという、地域に溶け込んだ状態の教育環境であれば、児童は安心して学習に取り組むことができるであろう。

 このように、児童の教育環境の整備には、学校の教員組織での同僚教員との協働と、保護者や地域との連携が不可欠だといえる。

捕捉

この、教職実践演習関係のレポートは、非常に書きにくいです。

1回目の提出では合格しにくい、要注意レポートです。

私は、3回目の提出でやっと合格できました。

指定の教科書の内容を踏まえて書くので、要約型レポートの側面があります。

自分の考えを「私は~と考える」という形で主張するので、小論文型レポートの側面もあります。

しかし、不合格になるたびに、添削者の先生の期待を汲み取ってレポートを書き直していくことになるので、対話型レポートと呼んだほうがしっくりきます。

講評で書かれる指示の内容は、時数の制限もあり、必要最低限です。

そのため、添削者の先生が求めているものをあれこれ想像しながらレポートを書き直すことになります。

不合格レポートの講評

不合格1回目の講評は、次の通りです。

1:答申の内容についての自己評価が中心になっています。教育実習(現場体験)から、自分が考える実践的指導力につながる事例を考える。その上で、実践的指導力とは、どのような力かまとめる。

2:同僚教員との協働とは何か。協働を支えるのは何かも考え合わせて、協働についての考えをまとめよ。まずは教員の協働について、次に、保護者・地域について詳述する。学級担任として保護者・地域との連携を考える。

by 田村

上記の指示に従ってレポートを書き直したのですが、これも不合格でした。

下記は、不合格2回目の講評です。

1について
・前回の講評を参考にして、課題にそったレポート作成を心がけようとしています。事例を整理して、「実践的指導力とは」について、自分の考えをもう少し詳しく書いてみてください。「実践的指導力とは~であると私は考える。」と書いています。この書き方、まとめ方は、そのままでよいと思います。

2について
・同僚教員との協働の重要性について、事例を交えながらまとめてみてください。保護者や地域との連携に関係のある事例があれば、レポートしては、さらによい内容になると思います。できるだけ具体的に書いてください。先生方が、何か問題を解決しようと全力でがんばっている姿です。

by 菅野

上記の指示に従ってレポートを書き直し、やっと提出3回目で合格できました。

しかし、合格したものの、講評には次のように書かれていました。

1.「五つの資質能力全て備えていることが、実践的指導力だ」と述べていながら挙げた事例は子どもの発達・心身の学習状況の把握にかかわる自分の体験だけだったので、論理展開の飛やくや不十分さが気になりました。しかし、自分の実践を省察できる人だと認められるので合格とします。
2.概ね適切でしょう。

by 不明(印鑑の漢字が独特すぎて読み取れない)

言い訳させて。。

最後の講評については、言い訳したいことが1点あります。

私は3回目提出のレポートで、「五つの資質能力を全て備えている教師が発揮できる力が、実践的指導力であると考える」と述べたうえで、「自分には五つの資質能力のうちの1つが欠けていたので教師としての諸活動に支障が出てしまった→だからこそ、五つの資質能力を全て備えていることが重要である」という論理展開を行っています。

この論理展開には、矛盾や辻褄の合わなさはありません。

しかし、添削者の先生は、一つの資質能力ではなく「五つの資質能力」に関する事例を全て出すべきだ、という趣旨の講評を書いています。

添削者の先生にとっては、「五つの資質能力」の一つ一つに対応した事例を取り上げて欲しかったのでしょう。

しかし、1回目の不合格レポートの講評で、「教育実習(現場体験)から、自分が考える実践的指導力につながる事例を考える」という指示を私は受けているため、出せる事例には限界があります。

しかも、私は教育実習前にこのレポートを書いたため、そもそも手持ちの事例が極端に少ない状態でした。

母校の小学校で行っていたボランティア活動(現場体験)で得た事例のみに基づいて、私はこのレポートを書いています。

なので、これが精一杯の内容のレポートなのでした。

教職実践演習関係のレポートには、教育実習後に取り組もう

実は私は以前から、「教職実践演習関係のレポートは不合格者が続出している」という噂を、スクーリングに参加した際に耳にしていました。

そこで、早めにレポートを書くことにしたのでした。

しかし、教職実践演習関係のレポートは、教育実習後に取り組んだ方が、書きやすいです。

事例を捏造するわけにはいかないので、教育実習で手持ちの事例を増やしてから、教職実践演習関係のレポートに取り組んだほうが、効率的です。

1回目のレポートを提出したのは2017年3月7日で、合格できたのは2017年6月9日なので、合格まで最低でも約3ヶ月かかると見積もっていれば安全だと思います。