PL2030_肢体不自由者の心理生理病理_2単位目



1.地域における特別支援学校の役割と肢体不自由者との関わり及び今後のあり方について、以下より詳述する。

 特別支援学校には、地域の幼稚園、小学校、中学校等からセンター的な役割を果たすことが求められている。どのような教育の場においても、特別支援教育を必要とする子どもがいる限り、保護者や医療・福祉機関等の専門機関がチームとして連携し、子どものニーズに応える必要がある。この際に、特別支援学校が中心的な役割を果たすことが期待されている。

 上記のような連携を可能にするにあたり、特別支援コーディネーター、個別の教育支援計画、広域特別支援連携協議会、校内委員会、個別の指導計画等は、欠かすことのできないツールである。特別支援コーディネーターはボトムアップ式に、広域特別支援連携協議会はトップダウン式に特別支援教育を機能させ、教員や教育委員会や校内委員会や福祉・医療・労働等の関係機関を結び付け、特別支援教育を必要とする子どものニーズを満たすための個別の教育支援計画や個別の指導計画が作成されることになる。

 しかし、上記のようなツールが利用可能にも関わらず、肢体不自由児に関しては、連携が十分に行われていないのが現状である。また、小中学校の通常学級における肢体不自由児の支援の問題は、設備の問題(エレベーターや身障者トイレの設置等)や、介助員(スクールヘルパー)等の人手の問題や、肢体不自由児本人の努力の問題に限定され、肢体不自由児の本来のニーズが等閑視される傾向がある。さらに、学級担任が肢体不自由児の指導・支援についてどこに相談したらいいのか分からないという問題や、子どもやその保護者が困っている状況を表現することができないという問題もあり、肢体不自由という障害に関する無理解や困難が放置されている状況が指摘されている。

 肢体不自由児は、一次障害としての認知や神経心理学的な問題と、これに起因した二次的な精神疾患を抱えることが多く、運動機能の側面からのケアに加えて、心理・認知・行動の側面からのケアが不可欠である。この特性と肢体不自由児を取り巻く現状を踏まえるならば、今後の肢体不自由児の支援は、設備の充実や人手不足や運動機能等の見えやすい困難だけでなく、肢体不自由児が抱える心理面や認知・行動面等の見えにくい苦悩を考慮したものでなければならないといえる。特別支援学校は、肢体不自由児の支援ニーズを、学校生活の場という視点から整理し、適切な質と量の支援を、肢体不自由児と保護者と学校の三者が受け入れ易い形で提案していく必要がある。
 

2.ポートフォリオを例に挙げ、学校・保護者・地域の連携に役立つ支援方法について以下より詳述する。

 ポートフォリオとは、児童の作品を系統的・継続的に収集したものである。これには作品だけでなく、作品を作る過程で残した作業メモや、作品についての児童による評価の記録も含まれ、児童の成長の証拠とみなされる。

 ポートフォリオは児童に関する情報の宝庫であることから、児童の評価のみならず、児童の支援ニーズを示すツールとしても活用可能である。例えば、学校で肢体不自由児のポートフォリオを教員が児童と一緒に作成し、これを保護者や関係機関に提供すれば、児童の障害や実態に対する保護者の理解が深まり、地域や関係機関にも児童の詳細が伝わり、適切な支援のイメージが共有されると考えられる。

 ただし、ポートフォリオを上記のような利用に開かれた資料にするには、次の情報を必ず付与するべきであろう。①疾患の原因、②再発の可能性、③幼稚園、学校等での救急的な処置の必要性の有無、④障害部位、⑤障害の特性、⑥けいれん発作の有無、⑦合併症の有無、⑧体力健康面での配慮の有無、⑨進行する可能性の有無、⑩リハビリの可能性、⑪認知の問題と障害部位の関連性の有無。⑫移動手段(室内、階段、校庭、校外、通学)、⑬着替えや靴の履き替え時の配慮点、⑭トイレ、⑮学習用具、⑯机椅子、⑰給食(食事用具、配膳等)、⑱運動的な活動への参加、⑲遠足等の校外学習への参加、⑳知覚・認知の特徴(検査で判明した学習パターン等)、21集団適応、22得意・不得意、23介助。

 これらのうち、①から⑪までは医師に記入してもらい、残りは作業療法士理学療法士等の医療関係者、幼稚園教諭や保育士等の教育関係者、保護者に記入してもらう必要がある。様々な分野の様々な関係者がポートフォリオを参照し、連携して適切な支援方法を検討することを考慮すると、上記のような必要最低限の客観的な情報の記載は必須である。しかしそれでも、何らかの行為の遂行可能・不可能に関する項目に関しては、「本人に任せる・配慮して本人が行う・介助して行う・行わない」等の細かい判断が実際には必要とされるので、どの読み手にも、学校生活全体の流れの知識と、肢体不自由教育の専門性が要求されることになる。

 以上、学校・保護者・地域との連携と、適切な支援を実現させるポートフォリオの内容について述べてきた。ポートフォリオは児童のアセスメントの役割を担うものといえる。これを活用することで、児童の支援ニーズを効率的に満たすことができるようになると考えられる。

捕捉

このレポートは要約型レポートです。

出典が付いていないですが、合格しているので、出典無しでもOKということですね。

要約型レポートの書き方については、下記が参考になります。