PL3010_知的障害者の指導法1_2単位目



1.知的障害及び自閉症・情緒障害特別支援学級の教育課程の編成について

 学校教育法第81条では、次の6つのいずれかに該当する児童生徒に関して、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校において、特別支援学級の設置が認められている。①知的障害者。②肢体不自由者。③身体虚弱者。④弱視者。⑤難聴者。⑥その他障害のある者で、特別支援学級において教育を行うことが適当なもの。

 このような措置の目的は、上記項目のいずれかに該当する児童生徒に対する「教育上特別の支援」を可能にし、かつ、彼等が「障害による学習上又は生活上の困難を克服する」ことにある。

 上記の特別支援学級では、特別の教育課程を編成できることが認められている。このことは、学校教育法試行規則第138条の「小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程における特別支援学級に係る教育課程については、特に必要がある場合は、第50条第1項、第51条及び第52条の規定並びに第72条から第74条までの規定にかかわらず、特別の教育課程によることができる」という規定によって保障されている。

 特別の教育課程の編成内容に関しては、小学校学習指導要領解説(総則編)と中学校学習指導要領解説(総則編)それぞれにおいて、次のような注意点が示されている。①学校教育法に定める小学校(もしくは中学校)の目的及び目標を達成するものにする。②「学級の実態や児童の障害の程度等を考慮の上、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領を参考とし、例えば、障害による学習上又は生活上の困難の改善・克服を目的とした指導領域である「自立活動」を取り入れたり、各教科の目標・内容を下学年の教科の目標・内容に替えたり、各教科を、知的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校の各教科に替えたりするなどして、実情に合った教育課程を編成」する。③「特別支援学級における指導に当たっては、学級担任だけでなく他の教師と連携協力して、個々の児童の障害等に応じた効果的な指導を行う」必要がある。

 上記の他、学校教育法試行規則第139条では、「文部科学大臣の検定を経た教科用図書を使用することが適当でない場合には、当該特別支援学級を置く学校の設置者の定めるところにより、他の適切な教科用図書を使用できる」ことが定められている。

 以上が、知的障害特別支援学級自閉症・情緒障害特別支援学級の教育課程の編成及び指導の詳細である。

2.個別の指導計画作成の観点に基づいた、知的障害のある児童生徒への自立活動の指導について

 特別支援学校学習指導要領第1章第2節第1の4において、「自立活動の時間における指導」に関し、「個々の児童又は生徒の障害の状態や発達の段階等を的確に把握して、適切な指導計画の下に行うよう配慮しなければならない」と記されている。ここでの「自立活動の時間における指導」とは、「児童生徒がそれぞれの障害の状態や発達の段階等に応じて、主体的に自己の力を可能な限り発揮し、よりよく生きていこうとすること、また、社会、経済、文化の分野の活動に参加することができるようにする資質」を養うことを目的にして行われるものである。そして、この指導の際には、「指導計画」に準じることが重視されている。ここでの「指導計画」とは、「個別の指導計画」のことであり、次のような性質を持つ。①「各教職員の共通の理解の下に、一人一人に応じた指導を一層進めるため」のもの。②「個々の児童生徒の的確な実態把握を行うとともに、それに応じた指導目標を設定し、指導内容・方法を工夫するなどして」作成されたもの。③計画(Plan)‐実践(Do)‐評価(Check)‐改善(Action)の過程において、適宜評価を行い、指導内容や方法を改善し」ていくべきもの。

 上記の「個別の指導計画」と関連するものとして、「個別の教育支援計画」というものがある。これは、「教育、医療、福祉、労働等が連携協力を図り、障害のある子どもの生涯にわたる継続的な支援体制を整え、それぞれの年代における子どもの望ましい成長を促すため」に、「教育機関が中心となって」作成するものである。

 「個別の教育支援計画」の活用の仕方についてであるが、例えば、幼稚部などの機関で作成された「個別の教育支援計画」は、次の小学部で引き継がれることによって活用される。これにより、「関係者間で生徒の実態や支援内容について共通理解を図ったりするなど、学校や関係機関における適切な指導や必要な支援に生かすこと」が可能となる。ただし、このような仕方で多くの関係者が関与するという性質上、「個別の教育支援計画」の活用時には、個人情報の保護を心掛けることが必要不可欠である。

 以上、「個別の指導計画」と「個別の教育支援計画」について概観してきた。自立活動の支援時には、これらそれぞれの作成目的と活用方法に留意する必要がある。

参考・引用文献

文部科学省編著 『特別支援学校学習指導要領解説総則等編(幼稚部・小学部・中学部)』 教育出版、2015年、p.153‐154、p.182‐183、p.209‐210

捕捉

このレポートは要約型レポートです。

教科書を要約すればOKなのですが、1単位目と同じく、1回目は不合格でした><。。

以下がその際の講評です。

講評では、

レポート1は、適切に言及されていますのでokです。レポート2は、知的障害児者の自立活動についても言及しなくてはいけません。この点が述べられていません。→特に自立活動の区分や項目と知的障害の関係や、知的障害者への自立活動の時間における指導の留意点も言及して下さい。

と書かれており、言及不足の箇所が指摘されておりました。

評価者の先生の指示通りにレポートを修正し、2回目の提出で合格することができました。

しかしッ!

合格レポートに、次のような朱書きの指摘がありました。

「「指導計画」とは、「個別の指導計画」のことであり」という箇所に、

そうではないです

という朱書きです。

「指導計画」は、様々な文書を指す言葉なので、要注意ですね。。