PA2120_障害者教育総論_1単位目

課題
1.特別支援教育推進の基本的視点と概要について述べなさい。
2.特別支援教育における連携体制について、特別支援教育コーディネーターの役割を中心に述べなさい。



1.特別支援教育推進の基本的視点と概要について述べなさい。

 2001年に文部科学省は「21世紀の特殊教育の在り方について」において特殊教育からの方向転換を公に表明した。そこでは、「これからの特殊教育は、障害のある児童生徒等の視点に立って一人ひとりのニーズを把握し、必要な支援を行う」という方向性と次の5つの基本的な考え方が示された。①ノーマライゼーションの進展に向け、障害のある児童生徒等の自立と社会参加を社会全体として、生涯にわたって支援する。②教育、福祉、医療、労働等が一体となって乳幼児期から学校卒業後まで障害のある子ども及びその保護者等に対する相談及び支援を行う体制を整備する。③障害の重度・重複化や多様化を踏まえ、盲・聾・養護学校等における教育を充実するとともに、通常の学級の特別な教育的支援を必要とする児童生徒等に積極的に対応する。④児童生徒の特別な教育的ニーズを把握し、必要な教育的支援を行うため、就学指導の在り方を改善する。⑤学校や地域における魅力と特色ある教育活動等を促進するため、特殊教育に関する制度を見直し、市町村や学校に対する支援を充実する。

 上記の提言に基づき、2003年には、今後の特別支援教育の在り方を審議する調査研究協力者会議が設置され、「今後の特別支援教育の在り方について」において、「障害の程度等に応じ特別の場で指導を行う「特殊教育」から障害のある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う「特別支援教育」」への転換が打ち出された。そこでは、特殊教育の果たしてきた役割と実態が分析されるとともに、障害の重度・重複化やLD・ADHD高機能自閉症の児童生徒への教育的対応が喫緊な課題として認識された。

 これらの課題について、2004年には特別支援教育特別委員会が設置され、翌年に「特別支援教育を推進するための制度の在り方について(答申)」が出された。この答申では、特別支援教育は、「障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点」に立つことが明確にされ、「幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行う」ことが確認された。さらに、LD・ADHD高機能自閉症の児童生徒に対しても「適切な指導及び必要な支援を行う」ことが表明された。その上で、特別支援教育を「これまでの特殊教育の枠組みの下で培われてきた教育水準や教員の専門性が維持・向上できるような方向で推進」することが目指された。これらの理念は、2007年にも、文部科学省初等中等教育局長による「特別支援教育の推進について(通知)」において改めて示されている。

2.特別支援教育における連携体制について、特別支援教育コーディネーターの役割を中心に述べなさい。

 特別支援教育コーディネーターの役割は、「校内の特別支援教育の推進役」であると同時に、外部の関係機関に対する「学校の顔」といえる。この役割は大別して以下の5つに分類できる。①校内の関係者や医療、福祉等の関係機関との連絡調整、保護者との関係づくりを行う。②保護者に対する学校の相談窓口となり、保護者を支援する。③担任の教師に対して、相談に応じたり、助言したりするなどの支援を行う。④校内での適切な教育的支援につながるよう教育委員会に設置されている巡回相談や専門家チームとの連携を図る。⑤校内委員会の適切で円滑な運営がなされるよう推進役を担う。

 上記役割はより具体的には以下のように説明できる。特別支援教育コーディネーターは、校内において、次のような仕事を行う。①特別なニーズのある子どもの把握(担任教師の気づきや保護者からの申し出、LDI-RやWISC-Ⅲ等の心理検査の結果から、ニーズを把握する。)、②校内委員会の開催(可能であれば月に1回、学期に最低1回は、校内委員会を開催し、チームティーチングや個別指導での対応が必要な児童生徒の有無を検討する。特別なニーズのある児童生徒のリストや情報を各学級の担任から得る。)、③「個別の教育支援計画」および「個別の指導計画」の作成と保管(無計画に指導することは不適切であるため、特別なニーズのある児童生徒を教育する際には計画を練る。)、④巡回相談員との連携(相談を受けたい児童生徒の個票を作成して学校から市町村教育委員会へ送付する。相談当日には、日程表、児童生徒の座席表、相談用の部屋、校内研修会会場、研修会資料を用意し、校内研修会では司会・進行を担当する。)、⑤保護者との信頼関係の構築(保護者と情報交換を密に行い、担任教師と保護者の間の調整役になる。)、⑥関係機関との連携(地域の知的障害特別支援学校への支援要請を行うための窓口となる。)、である。

 以上、特別支援教育コーディネーターの役割を詳述してきた。この役割には、関係機関との連携を可能にする積極性と、研修や研究に励む意欲と、学校内外の人間から信頼される責任感が必要不可欠といえる。

参考・引用文献

石部元雄・柳本雄次著 『特別支援教育─理解と推進のために─』 福村出版、2015年、p.18‐22、p.27‐31

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