PL2010_知的障害者の心理_2単位目

課題
1.知的障害児者に対する就労支援のアプローチ、手法(課題分析・職務分析等)に関し述べよ
2.知的障害者生涯学習の支援の現状と課題に関し、述べよ



1.知的障害児者に対する就労支援のアプローチ、手法

 障害者の就業支援のプロセスは、次の3つの段階に整理できる。①職業に関する方向付けを支援する段階。②職業準備性向上のための支援の段階。③就職から雇用継続に向けた支援の段階。以下より、これらの詳細について述べる。

 まず①の段階についてであるが、この段階では、働くことを希望して相談窓口を訪れた障害者から話を聞き、仕事に対する考えや、希望する職種・労働条件、障害の特性とそれに起因したハンディキャップを整理し、本人の意向を踏まえた支援計画が立案される。

 次に②の段階についてであるが、この段階は、職業に就くための準備を整える段階である。職業に対する意識、職業技能の習得、基本的な生活習慣の確立、対人関係技能の習得を目指し、いわゆる職業訓練が行われる。

 最後に③の段階についてであるが、この段階では、長く安定した職業生活を維持するために、入職時の職場環境の調整や、職業生活における自分自身の変化や職場環境の変化への対応が支援される。

 以上が、障害者の就業支援のプロセスの概要である。上記のような取り組みにより、知的障害者の職業参加は一定の成果を挙げた。しかし現在、障害の重度・多様化により、職場環境そのものへのアプローチが不可欠となってきている。具体的には、就職に必要な技能・知識を就職前に身に付けるだけでなく、労働の現場で「ジョブコーチ」と呼ばれる支援者から直接的な支援を受ける「援助付き雇用」が法制化されている。以下より、ジョブコーチ支援のプロセスの詳細を述べる。

 ジョブコーチ支援は、①アセスメント、②支援計画の策定、③支援の実施、④フォローアップ、という手順で行われるものである。まず①では、障害者に関する基礎情報の把握と、職務分析(障害者の1日の仕事の流れを時間軸に沿って整理する)や課題分析(職務を構成する一連の行動を、より細かな行動単位に分け、時系列にそって記述する)の手法による職場環境の把握が行われる。これらの情報を踏まえて、障害者と職業との適合性を測り、職業が選択される。次に②では、①で収集した情報に基づいて、障害者・事業主双方の支援課題、支援内容、支援期間等を記した支援計画が作成される。そして③では、②の支援計画が職場で実施される。その際には、教示の際の介入レベルを4段階に設定し、次第に介入を減らしていくシステマティック・インストラクションの手法が用いられる。最後の④は、長期的な就業を目的として行われる就業後の支援である。

 以上が、知的障害児者に対する就労支援のアプローチと、手法の概要である。

2.知的障害者生涯学習の支援の現状と課題

 学齢期の障害児の生涯学習機会についてであるが、2012年4月の児童福祉法の一部が改正され、これまでの障害児施設が再編整備されたことに伴い、「放課後等デイサービス」が創設された。これは、6歳から18歳までの障害児を対象に、放課後や夏休み等長期休業日に生活能力向上のための訓練や社会との交流促進等を継続的に提供する仕組みである。2014年現在、全国4132カ所で約71000人が利用している。

 学校卒業後の生涯学習機会についてであるが、国の障害者基本計画では「地域における学校卒業後の学習機会の充実のため、教育・療育機関は、関係機関と連携して生涯学習を支援する機関としての役割を果たす」とされている。しかし、具体的な施策については地方自治体任せであることが現状である。また、全国500カ所程度存在していた「障害者青年学級」は、特別支援学校卒業後の知的障害者や重度の障害者にとっての学ぶ場であったにも関わらず、2002年の時点では300カ所にまで減少している。

 上記のような現状を改善するにあたり、大学活用型の生涯学習の取り組みや、事業所等での生涯学習的取り組みや、私立や独立行政法人立の特別支援学校での「専攻科」実践や、これに基づいた「福祉型専攻科」あるいは「福祉型カレッジ」と称される、障害者総合支援法サービス体系の中の訓練等給付「自立訓練(生活訓練)事業」や「就労移行支援事業」等は、注目すべき動きである。

 生涯学習支援の課題についてであるが、これまでの様々な取り組みから、次のことが明らかになっている。①ニーズへのアウトリーチ・情報提供と機会アクセスへの支援。②「わかりやすい」学習内容と「学びやすい」学習方法の採用。③ともに学ぶ伴走者の存在。これらの課題の解決には、「障害者の周囲の人々が生涯学習に関心を持ち、これに関わり続けること」と「行政による財政的・コーディネート的な支援」と「大学等研究機関の専門的知見と学生ボランティアなどの人材提供機能の組み合わせ」が必要である。

参考・引用文献

梅永雄二・島田博祐編著 『障害児者の教育と障害発達支援』 北樹出版、2015年、p.172‐184、p.193‐200

捕捉

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