PB3030_初等音楽科教育法_1単位目


 

 「歌唱共通教材」の定義と、「歌唱共通教材」を指導計画に組み込むときの注意点を以下より述べる。

 まず、「歌唱共通教材」の定義を述べる。現行の小学校学習指導要領の第2章第6節音楽では、「共通教材」が指定されている。これは「教材として扱うべき特定の楽曲名」を指す。

 昭和33年(1958年)版学習指導要領にて初めて指定された「共通教材」は、当初、「歌唱共通教材」と「鑑賞共通教材」とに区別され、3~4曲の楽曲名が、指導計画に組み込んで歌い聴くべき教材曲として、具体的に明示されていた。しかし、これらの「共通教材」の指定に対しては反対の声もあり、現行の学習指導要領(平成10年版)においては、小学校の「鑑賞共通教材」と中学校の「歌唱・鑑賞共通教材」の指定がなくなり、小学校の「歌唱共通教材」のみが残っている状態である。

 「歌唱共通教材」の特徴についてであるが、これらは戦前からの文部省唱歌が中心となっており、日本の公教育における音楽教育の歴史が伺えるような、文化遺産的なものといえる。

 次に、「歌唱共通教材」を指導計画に組み込むときの注意点を述べる。

 「歌唱共通教材」として指定された楽曲には、音楽的に評価の高いものも含まれているが、小学校の教材として扱う際には、かなりの工夫が必要である。なぜなら、これらの楽曲には、歌詞が難解であったり、児童生徒の生活感覚とかけ離れたりしたものがあるからである。

 また、現代の児童生徒にとっては、リズムや歌詞を紙に記して指導することは古めかしいものに映る。そのため、「歌唱共通教材」を、時間数の限られた年間指導計画の中に教材として位置付けるには、児童生徒の感性に合わせた工夫も必要である。

 具体的な工夫の仕方についてであるが、次のように考えると良い。学習指導要領においては、「歌唱共通教材」が小学校音楽科において学習される理由や、指定された楽曲が学年で異なる理由は特に説明されておらず、これらの曲名のみが指定されている。したがって、「歌唱共通教材」を教材化する際には、多少のアレンジが許されると考えられる。

 例えば、二部合唱にしたり、オブリガートをつけたり、伴奏の形や和声を変えたり、移調したりといったアレンジが許されるであろう。

 なお、教員には、「歌唱共通教材」の弾き歌いを練習する義務がある。教員は、教室での指導時に、児童生徒の顔を見ながら、これらの楽曲を弾き歌うことができなければならない。児童生徒と目を合わせ、彼等をリードしながら「歌唱共通教材」を弾き歌えるようにするために、教員は、自分の実力に合った伴奏の付け方や、キーの高さを見つけ、時には弾き易いように独自に修正し、技術的に余裕をもって弾けるように工夫する必要がある。

参考・引用文献

阪井恵・有本真紀 『初等音楽科教育法』 明星大学出版部、2012年、p.36、p.193‐228

教科書P36の表をこんな風にレポートに写しました。これが最もオーソドックスな写し方かなと。

捕捉

このレポートは要約型レポートです。

非常に書きやすいレポートです。

課題では、「歌唱共通教材」に関して、①定義と、②指導計画に組み込むときの注意点、をまとめることが指示されています。

この指示通りに、指定の教科書を要約すればOKです。

要約型レポートの書き方については、下記が参考になります。

z99.hatenablog.com