PL3070_重複障害LD等教育の心理生理病理_1単位目

課題
1.障害児の障害の種類とその相互関連について述べなさい。
2.障害児の障害の原因・病理、障害の診断・理解と状態把握について述べなさい。



1.障害児の障害の種類とその相互関連について、以下より詳述する。

 「生体の構造が発達とともに整備され、生体が置かれた環境との関連で機能し、行動が発生するシステム」を行動システムという。このシステムは、感覚・受容機能、中枢・処理機能、運動・表出機能の3つから構成される。

 感覚・受容機能とは、生理学的には感覚(求心)系と呼ばれ、外部からの刺激をそのモダリティに適合した感覚受容器(聴覚や視覚等)で受容して生体信号に変換する機能を指す。

 中枢・処理機能とは、感覚・受容機能によって生体信号に変換された外部からの刺激を大脳が処理する機能を指す。大脳では、生体信号が各モダリティに該当する感覚野に投射され、大脳辺縁系や脳の覚醒系による制御のもとで分析・統合(認知・思考・推理等の高次精神活動)される。このような中枢・処理機能は、生理学的には中枢系と呼ばれる。

 中枢・処理機能で処理された情報を表出する機能が、運動・表出機能である。これは生理学的には運動(遠心)系と呼ばれる。錐体路系や錐体外路系で構成される運動神経路を介して情報は表出される。直接的には、筋肉や骨等により情報の表出が実行される。

 上記の行動システムの観点から障害を見た場合、障害はこれら3つの機能の障害に対応して現れたものといえる。例えば、感覚・受容機能が侵された場合、末梢性の視覚障害や末梢性の聴覚障害が生じる。中枢・処理機能が侵された場合、中枢性の視覚障害、中枢性の聴覚障害、知的障害、学習障害、注意欠如・他動性障害、自閉症、情緒障害、失語症等の言語障害、脳性まひ等の肢体不自由が生じる。運動・表出機能が侵された場合、構音障害等の言語障害、肢体不自由が生じる。

 上記のような障害は、行動システム全体に影響を及ぼすものである。特に、発達初期の障害がそうである。例えば、発達初期に生じた感覚・受容機能の障害は、情報収集を阻害する。その結果、中枢・処理機能の働きと発達も阻害されることになる。また、発達初期に生じた運動・表出機能の障害は、感覚・受容機能や中枢・処理機能への再帰的な情報の入力を阻害するため、空間認知等の発達の遅れが生じる。

 以上、障害児の障害の種類とその相互関連について述べてきた。障害は、その障害が生じる機能だけの問題ではなく、障害が生じた時期により、他の機能の働きと発達にも深く関与し、障害像の広がりを大きく異なるものにするといえる。

2.障害の診断・理解と状態把握は、障害児の支援に生かすために行われる。これには障害の原因・病理の把握が必然的に伴う。以下、前半で障害の診断・理解で考慮すべき4事項を詳述し、後半で原因・病理について述べる。

 障害の診断・理解で考慮すべき4事項の1点目は多次元的アプローチである。これは、医学的アプローチ(原因診断、合併症状等に関する診断、医療面からの支援上の配慮事項の提示)、心理学的アプローチ(障害児の行動観察、心理検査・生活歴・環境調査に基づく心理・行動面の特性と発達支援に関する診断・理解)、教育的アプローチ(学力、生活、行動・情緒、身体・運動面等に関する能力、適正就学、個別の教育支援計画策定や個別の指導計画作成等に関する診断)、社会的アプローチ(日常生活活動等の社会生活能力、作業能力、家庭・地域社会に関する診断・理解)を指す。

 考慮すべき4事項の2点目は診断・理解の総合性と支援との結合である。つまり多次元的アプローチの結果を総合し、個別の指導・支援につなげるということである。

 考慮すべき4事項の3点目は障害児の特殊具体性である。特定の障害の一般的な特性を踏まえつつ、個々の障害児の特殊性・個別性も把握するということである。

 考慮すべき4事項の4点目は、障害児の姿を静態としてではなく、動態として捉えることである。知能検査等の結果ではなく、この結果が生じる過程と知能構造上の特性の把握を重視する必要がある。

 以上が、障害の診断・理解で考慮すべき4事項である。

 次に、障害の診断・理解に必然的に伴う、障害の原因・病理の把握に関する知識を記述する。障害の原因・病理の理解に際しては、以下の3つの二分法が有用である。①内因性─外因性(多因子遺伝、病的遺伝子、染色体異常、代謝異常が内因性の病因に該当する。胎生期障害、周生期障害、出生後障害が外因性の病因に該当する。しかし、染色体異常と代謝異常は、内因性と外因性の両方に該当する。これは染色体や代謝の異常は、遺伝性の要因と環境性の要因の両方が関与して生じるためである)。②生理型─病理型(多因子遺伝が生理型の病因に該当し、心理的・社会的要因以外の病因は全て病理型に該当する)。③先天性─後天性(周生期前に存在する病因が先天性に該当し、周生期以降に存在する病因は後天性に該当する)。

 上記の障害の病因・病理に関する知識と、前半で言及した4事項を動員し、障害の診断・理解と状態把握は行われる。

捕捉

このレポートは要約型レポートです。

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