PL3010_知的障害者の指導法1_1単位目

課題
知的障害のない児童生徒を対象にした特別支援学校の教育課程の編成と比較して、知的障害特別支援学校における教育課程の編成の特徴及び具体について法令などの根拠も含めてまとめなさい。


 
 「知的障害のない児童生徒を対象にした特別支援学校の教育課程の編成」と、「知的障害特別支援学校における教育課程の編成」の違いは、後者において「特別な支援や配慮」と、「児童生徒が自立し社会参加するために必要な知識や技能、態度などを身に付けることの重視」の2点が確認できることである。これら2点は、知的障害を持つ児童生徒に対する教育の特徴といえる。これについて、以下より詳述する。

 まず、知的障害の捉え方・概要についてであるが、知的障害とは、「一般に、認知や言語などにかかわる知的能力や、他人との意思の交換、日常生活や社会生活、安全、仕事、余暇利用などについての適応能力が同年齢の児童生徒に求められるほどまでには至っていない」状態を指す。ただし、この状態は不変のものではなく、「環境的・社会的条件で変わり得る可能性がある」とされている。

 上記のような知的障害を持つ児童生徒に対しては、彼等の特性を踏まえた教育制度が設計されている。

 例えば、学習指導要領においては、「知的障害の特徴及び学習上の特性等を踏まえ、児童生徒が自立し社会参加するために必要な知識や技能、態度などを身に付けることを重視し、各教科等の目標と内容等」が示されている。  

 また、学校教育法施行規則第126条第2項や第127条第2項では、「知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の小学部及び中学部の各教科」の種類が規定されている。これらの教科は具体的には、小学部では、生活、国語、算数、音楽、図画工作、体育の6教科であり、中学部では、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、職業・家庭、外国語の9教科である(外国語科の設置は各学校の判断による)。

 さらに、学校教育法施行規則第130条第2項では、「各教科等を合わせた指導」が規定されており、「各教科、道徳、特別活動及び自立活動の一部又は全部」を合わせて指導し、「日常生活の指導」や「遊びの指導」や「生活単元学習」や「作業学習」を行うこと(領域・教科を合わせた指導)が認められている。これら4つの具体的な内容は以下の通りである。「日常生活の指導」とは、「児童生徒の日常生活が充実し、高まるように日常生活の諸活動を適切に指導」するものである。「遊びの指導」とは、「遊びを学習活動の中心に据えて取り組み、身体活動を活発にし、仲間とのかかわりを促し、意欲的な活動をはぐくみ、心身の発達を促していくもの」である。「生活単元学習」とは、「児童生徒が生活上の目標を達成したり、課題を解決したりするために、一連の活動を組織的に経験することによって、自立的な生活に必要な事柄を実際的・総合的に学習するもの」である。「作業学習」とは、「作業活動を学習活動の中心にしながら、児童生徒の働く意欲を培い、将来の職業生活や社会自立に必要な事柄を総合的に学習するもの」である。

 もちろん、「教科別の指導」を行うことも可能である。この場合には、「一人一人の児童生徒の興味・関心、学習状況、生活経験等」を考慮することが必要とされる。なお、「各教科の内容は、学年別に示さず、小学部は3段階、中学部は1段階、高等部は2段階で示してある」ことも、知的障害を持つ児童生徒に対する配慮である。これは、「対象とする児童生徒の学力などが、同一学年であっても、知的障害の状態や経験等が様々であり、個人差が大きいこと」を考慮した結果である。指導計画を学校が作成する際に、「児童生徒の知的障害の状態等、学校や地域の実態等に即して、各教科の内容を具体化し、指導内容を設定する」ことも、同様の配慮による。

 また、「道徳」や「特別活動」や「自立活動」を個別に指導することも可能であり、これは「領域別の指導」と呼ばれている。これら4つの具体的な内容は以下の通りである。「道徳」とは、「個々の児童生徒の興味・関心や生活に結び付いた具体的な題材を設定し、実際的な活動を取り入れたり、視聴覚機器を活用したりするなどの一層の工夫を行い、道徳的実践力を身に付けるよう指導」するものである。「特別活動」とは、「個々の児童生徒の実態、特に学習上の特性等を十分に考慮し、適切に創意工夫」し、「各教科、道徳、自立活動及び総合的な学習の時間(小学部を除く。)との関連を図るとともに、小・中学校の児童生徒等及び地域の人々と活動を共にする機会を設ける」ものである。「自立活動」とは、「言語、運動、情緒、行動等の特定の分野に、顕著な発達の遅れや特に配慮を必要とする様々な状態」が随伴している児童生徒の「このような障害による困難の改善・克服を図る」ものである。

 以上のように、知的障害特別支援学校における教育課程の編成には、「特別な支援や配慮」と、「児童生徒が自立し社会参加するために必要な知識や技能、態度などを身に付けることの重視」の2点が確認できるといえる。

参考・引用文献

文部科学省編著 『特別支援学校学習指導要領解説総則等編(幼稚部・小学部・中学部)』 教育出版、2015年、p.242‐250

捕捉

このレポートは要約型レポートです。

課題のキーワードの詳細を、指定の教科書から探して、その部分を要約すればOKなのですが、、、

提出1回目は、不合格でした><。。

その時の講評が以下です。

講評欄には、次のように書かれています。

障害のある子どもを対象にした特別支援学校ですから、知的障害の有無に関わらず、目的は同じです。このレポートで求めている内容は、「教育課程の編成」についてです。知的障害特支学校の記述の方に、比較するのですから、知的障害のない子供を対象にしている特別支援学校についても言及して下さい。

1回目のレポートで私は、レポートの序盤で、次のように書いておりました。

「知的障害のない児童生徒を対象にした特別支援学校の教育課程の編成」と、「知的障害特別支援学校における教育課程の編成」の違いは、後者において「特別な支援や配慮」と、「児童生徒が自立し社会参加するために必要な知識や技能、態度などを身に付けることの重視」の2点が確認できることである。

この部分に関して、

他の障害においても、考え方は同じです。教育課程の編成について求めています

という朱書きがされておりました。

つまり、課題では、「 知的障害のない児童生徒を対象にした特別支援学校の教育課程の編成」と「知的障害特別支援学校における教育課程の編成」の比較が求められているのに、どちらにも当てはまることを、私は書いてしまっていたのでした><。。

そして、さらに悲しいことに、1回目のレポートでは、 「 知的障害のない児童生徒を対象にした特別支援学校の教育課程の編成」 について、私は何も書いておりませんでした。。

課題をしっかり理解していないと、このようなミスをしてしまうので、注意が必要ですね。

要約型レポートの書き方については、下記が参考になります。